【リフレクション(7)】言語化することの大切さ、モヤモヤに向き合うこと

東京都三鷹市立第三小学校主任教諭 山下徹
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 なんかモヤモヤしているけれども言語化できない。日々の暮らしの中で、そのようなことはないでしょうか。

 リフレクションにおいて言語化することは大切ですが、それがなかなかできないこともあると思います。そんな中、今回は言語化しやすい土壌を作る上で大切なことを2つお伝えできればと思います。

 1つ目は、「気付きの素養をためる」ことです。体験したことを言語化することは、とても難しい行為です。感じているけれども、言語化できない。そんな経験はたくさんあると思います。そうして言語化できず、モヤモヤして過ごす中で、あるとき「こういうことだ」と感じて気付く瞬間はないでしょうか。

 前回、体験を捉え直すことについてお話をしましたが、体験の中で感情を捉えていくことを意識的にしていると、このモヤモヤを捉えやすくなると感じています。子供がモヤモヤしている状態の中で友達と対話して振り返るとき、モヤモヤのある場面だけ、一部だけでも話してもらうと、子供たちが対話の中からモヤモヤに気付くことがあります。コップから水が溢れ出る感覚で、言語化できるようになる瞬間であり、また新たなモヤモヤが生まれる瞬間でもあります。このような行為の積み重ねが言語化への足場づくりになるのです。体験を通してたまった感情は、「聞く」「話す」活動を十分にすることで、気付きの素養をためることにつながると思っています。

 2つ目は、「問いを意識する」ことです。リフレクションでは「聞く」「話す」活動を十分に捉えて活動していきますが、その際に大事なのは「問い」です。段階的に、対話がスムーズになってくると、問いそのものに意識を向けてもらうようにしていきます。

 例えば、対話をする際、「広げる質問」「深める質問」とは、どんな質問なのかを考えてもらい、対話がどのような段階にあるのか、自分の中で構造化して考えるように意識してもらいます。また、普段の授業でも、問いづくりの実践に取り組み、「良い問い」とはどんな問いか考えさせるなどして、自覚的に取り組めるようにしています。このような授業を通して、問いに慣れ、問いを考え続けることが、結果的にはリフレクションをする際に、その質を高めることにつながると思っています。

 参考文献=ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ『たった一つを変えるだけークラスも教師も自立する「質問づくり」』(新評論)

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