【リフレクション(8)】リフレクションを通した子供たちの変容①行動の変容

東京都三鷹市立第三小学校主任教諭 山下徹
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 リフレクションを通して子供たちはどのように変容するのか――一番の変化は、思考が変化し、それに伴って行動が変化することだと思います。効果的なリフレクションをするには、思考する上で十分な経験が必要です。ある日突然、行動が変化することはありません。思考を積み重ねることで、行動が変容していきます。今回は、リフレクションを通じた子供たちの思考の変化、行動の変化を実感したエピソードをご紹介したいと思います。

総合的な学習の時間で、株式会社WORLD FESTIVALとのコラボレーションによる授業で制作した作品のジャケットデザイン

 以前、総合的な学習の時間で、株式会社WORLD FESTIVALさんとのコラボレーションによる授業を行いました。それは、ヨルダンやネパールなどの国々の子供たちとの交流を通して感じた思いを基に、子供たちの作詞・作曲で音楽を制作し、販売するプロジェクトです。

 その際、ある子の振り返りでは、授業の導入段階で、「私は海外に興味がないし、人が興味のないことについて、興味あることになんてなるのだろうか」と、興味がない様子でした。しかし、授業が進んでネパールやヨルダンの子供たちと何回も交流する中で、次第に思考に変化が起きてきました。振り返りの記述には、「交流はなかなかうまくできなかったけど、交流を通して気付いたこと、それは笑顔になるポイントが一緒だったり、うれしいと感じたりすること、共通することはたくさんあるんだということ」と書かれていました。

 プロジェクトが終わり、最後の振り返りでは、「最初は『関係ない』が変わるなんて思わなかった。でも体験を通して、『関係ない』と思っていたことが少しずつ『関係ある』ってことに変わってきた。それは、言葉や見た目が違うだけで、思っていることだったり、うれしいと思う気持ちは一緒だったり…次第に今まで無関心だった、海外のニュースに関心が出てくるようになった。私に何ができるんだろうと考えるようになった。今は『関係ない』をなくすには、何かのつながりを持つことなんだと感じる」との記述がありました。

 子供たちのリフレクションを日々観察していると、思考の変化、行動の変化には時間がかかることを感じます。それは、リフレクションをするという行為が、自分で思考を巡らせ、自分で気付いていく行為だからだと思います。だからこそ、思考が深くなり、行動に至った際には、主体的な行動になるのです。

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