【リフレクション(9)】リフレクションを通した子供たちの変容②対話の筋力、関係性の強化

東京都三鷹市立第三小学校主任教諭 山下徹
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 リフレクションを通した子供たちの変容で、もう1つ大きいものがあります。それは、個人の変化というより、クラスの変化です。具体的には、「対話の筋力が上がる」「関係性の構築、関係性がより強固になること」です。特に最初の頃は、リフレクションカードの実践による変化が大きいと感じています。

リフレクションを通じて、対話の筋力が高まり、関係性が強化される

 1つ目の「対話の筋力が上がる」とは、対話に価値を置き、対話を続けることができるようになるということです。リフレクションカードの実践では、4人グループで対話を行います。対話の時間は20分ほどで、その間、質問をしたり、答えたりして思考を深めていきます。リフレクションカードのルールやカードを使うという設定が、良い意味で枠組みを定め、グループ内の子供たちの集中を担保していきます。

 また、リフレクションカードの実践を行うと「気付き」が生まれ、対話の先に何か得るものがあるのではないかと、子供たちが実感値をためていくことにつながります。私はこのような体験の積み重ねが大切だと考えています。対話に慣れていない子供たちが、普段の授業で20分ほど対話を続けると、集中力を欠き、思考を深めることにつながりません。対話を中心とした学習をする場合、この筋力はとても重要だと思います。子供たちが、対話の先に光明を見つけ、対話の重要性を感じているからこそ、対話を続けていこうとする態度が育つのです。

 2つ目は、「関係性の構築、関係性がより強固になる」ことです。リフレクションカードの実践では、普段の学校生活ではなかなか話すことのない、自分の価値観について話をすることになります。例えば、「将来の夢」「友達や親との人間関係」などです。リフレクションカードでは、ルールが設定されているため、安心・安全な場で、グループのメンバーが対話することになります。グループのメンバーに耳を傾けてもらえる、受け止めてもらえる、そのような経験を積み重ねていくことで、安心・安全な土壌がつくられるのだと思います。

 また、対話の中で、発表者の意外な一面を知ることでも、子供たち同士の関係性は強くなっていきます。リフレクションを実践するようになると、「話したい」と言う子供たちが増えてきます。それは、自分の話を「聞いてほしい」、また「受け止めてほしい」という気持ちが潜在的に子供たちの中にあるからだと思います。その意味でも、対話ができる土壌づくり、関係性はとても大切です。

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