【探究学習のメソッド(12)】[カリキュラム・マネジメント] 持続可能な体制づくり

東京学芸大学准教授 登本洋子
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 第12回は「総合的な探究(学習)の時間」に持続的に取り組むことができる体制づくりについてです。

 「総合的な探究(学習)の時間」で探究に取り組んだことで、「将来の目標ができた」「卒業後に進む方向が明確になった」という生徒を何人も見てきました。探究に取り組んだ生徒の方が、成績が良い、進学実績につながっているという結果も報告されています。

 これはある意味当然で、従来型の授業では、生徒はただただ知識を与えられ、自分の興味とは無関係のところで学習している証拠だと思います。今後は「総合的な探究(学習)の時間」だけでなく、各教科の探究を通して、生徒の学習が主体的なものに変わるように授業を転換していく必要があります。そのためには、「探究」を軸にしたカリキュラム・マネジメントを確立し、校長、教務、探究の担当者が中心となり、学校全体で取り組む体制づくりが必要です。

 本連載においてここまで見てきたように、生徒の探究を深めるには、教員にもさまざまな準備が必要です。学校図書館との連携も鍵になります。軌道に乗るまでに、数年はかかります。学校内だけに閉じた取り組みにするのではなく、外部とつなげてあげると、生徒の探究の幅を広げることができます。社会とのつながりが希薄な生徒にとっては、大きな経験になります。学年を超えた取り組みにしたり、卒業生の力を借りたりすることも有効です。

 「総合的な学習(探究)の時間」は週に1回という学校も多いでしょう。しかし、週に1回、たった50分の授業だと物足りないように感じます。ちょうど生徒が集中しかけた頃に、チャイムが鳴って終わりとなってしまうからです。次の週は前時を思い出すところから始めて、生徒がやっと乗ってきたところでまたチャイムが鳴ってしまう…。その繰り返しです。週に1回しかないと、行事や試験が間に入ると、2~3週間空いてしまうこともあります。可能であれば週2単位を確保し、2時間連続の授業にすると授業中にできることが広がります。授業を午後に設定することができれば、校外にも出掛けやすくなります。

 探究は、教員1人が1クラスを担当する負担が大きく、できれば半分ずつに分けて、ティームティーチングで実施するようにするとよいでしょう。教員の持ち時間に関わってくるので、学校全体での工夫が求められます。無理をしても続かないので、持続可能な体制を目指しましょう。 

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