【「名もなき校務」を応援(7)】ICTを使った働き方改革② 集計・転記

日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 ソリューションスペシャリスト、元高校教員 栗原 太郎

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 教員からの伝達以上に大変なのは、戻ってくる情報になります。今回は紙で行われている保護者会の出欠確認を例に考えてみます(小技④)。

 先生、生徒、保護者での壮大な伝言ゲームは、担当教員が直接連絡できる「保護者チーム」を作成することによって解決できます(小技⑧)。ただし、このような類いの連絡はここで終了ではありません。参加人数を確認する集計業務が必ずついてきます。学級単位で回収された紙は担当教員に集約され、集計が開始されます。各担任が紙やエクセルで集計したものを合わせる形で行うところもあるでしょう。宿泊学習、大会、検定、普段の出欠、「これ興味ある人いますか?」といった挙手による予備調査も含めると、集計業務は学校のあらゆる場面で発生します。

 こうした状況を解決するのが、弊社のFormsをはじめとしたアンケートフォームです。誰が、いつ、どういった回答をしたのかを自動的に集計することによって、先生方はこまごまとした集計業務から解放され、生産性を上げることができます。また、好きなタイミングで期日までに入力をすればよいので、保護者の負担も減ります。

 続いて出張申請を例に、伝達と集計をつなぐ転記の業務を説明します。いつ、誰が、どこに出張するといった情報は、粒度を変え、学校日誌、職員室の黒板、月報、各教員の手帳等々、至るところに転記されます。こちらもアプリとアプリ、作業と作業を自動でつなぐことができるローコードツール、弊社の場合はPower Platformで解決できます。この製品は専門的な知識を持つ人にしかできなかったことを一般人にも開放するという、弊社が家庭にPCを普及するときから続く「民主化」思想をもとに作られています。

 特に学校業務との親和性が高く、先生方自らの手であらゆるものを自動化することができます。前任校では繰り返し行われていた作業が一度の入力で済むようになり、負担が大幅に減りました。「小技10」では、欠席連絡の自動化(小技⑦)や体温集計(小技⑥)など実際の業務改善だけでなく、先生による解説動画を通して使い方の基本が学べます。他の業務にも応用していただければと思います。

 最後に、働き方改革のきっかけになった私の特技について話したいと思います。「聞いたものを正確に伝える」「紙を回収して集計する」という、私は先生方が当たり前にやっていることができないというユニークな特技を持っていました。そのため、教員を続けるには既存の仕組み自体を変えるしかありませんでした。できない私に対して、できるべきだという精神論で否定せず、耳を傾けてくれた前任校の先生方がいたから、本質的な働き方改革が実現できたのだと思います。

働き方を劇的に変える ICT の小技


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「名もなき校務」を自動化。先生の手作りアプリで劇的改善を実現した聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校の事例

教員たちでできた校務の自動化!


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