【「名もなき校務」を応援(10)】ICTと授業③ 対話の場を自在につくり、問いや対話を深める

日本マイクロソフト株式会社 コーポレートソリューション事業本部 ソリューションスペシャリスト、元高校教員 栗原 太郎

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 Microsoft Teamsでは、対話の場を自在につくることができます。どんな人を参加させるか、その人数、グループに分けるのか、参加度合いは強制なのか任意なのか、誰に向かってしゃべるのか、全体なのか、個人なのか、グループなのか…。チャネルやメンションといった機能を使って、今までとは違った場づくりができます。特筆すべきは複数の場で同時にコミュニケーションを取ることができる点です。

 通常の教室では、班で話し合った内容を全体に届けるために、班の代表が全体に伝えるような場が必要です。仮想空間ではこれらを同時に進めることが可能です。ここにさらに現実空間での話し合いが加わり、空間の大小をずらす形を取ることで、コミュニケーションそのものの仕組みが変わります。現実空間では班で話し合い、仮想空間では全体でチャットし、他の班の人も議論に加わることで、新たな問いが生まれ続けていきます。

 Teamsのこういった使い方は年齢に関係なく小学生から大人まで行われ、気付きや他者理解、インプットとアウトプットの量が以前とは全く変わってきます。コメントが残ることで思考を相対化でき、問いや対話を深めていくことができます。近いうちに現実と仮想の境界もなくなり、発話とチャットが同時に文字化されるでしょう。そういったものが一人一人のポートフォリオとして蓄積されれば、探究授業での評価も根本的に変わっていくと思います。膨大で多種多様な学習履歴をAIがデータ解析して、教員がデータから得た知見で授業を再構成していくような時代が目の前に迫っています。

 空間の自在さは教室だけにとどまるものではありません。クラスや学年、あるいは学校すらも横断する空間を簡単につくれます。子どもたちだけではなく、保護者、地域、企業が入り、今までと異なる学びをつくることが可能なのです。もちろん、海外の人たちとの交流も同様です。教師はこれらの場をコーディネートしていく役割が、少しずつ増えていくかもしれません。

 このときに大切なことは、対話を開いていく共通認識を持つことです。最初はどうしても少ない人数、同質の閉じた空間に皆が向かいがちです。チャネルを使って公の空間を増やしていくことで、オープンコミュニケーションの意義や対話の価値を体験させることができます。そうすることで、子どもも大人も来るべき対話の時代に備え、学びを充実させていけると思います。

 (おわり)

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