【教室の中のLGBTQ(1)】LGBTQ+と教育~当事者の教員として~

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 初めまして。鈴木茂義と申します。東京と北海道で14年間の正規小学校教諭を経て、今は非常勤講師として東京都内の小学校に勤務して6年目になります。よく耳にするようになった性的少数者の総称である「LGBTQ+」の中のG(ゲイ)であることをオープンにして、大学の非常勤講師や自治体の相談員も務めています。また、新宿御苑前駅前にある常設のLGBTQ+センター「プライドハウス東京レガシー」のスタッフでもあります。基本的には毎日学校で働く教員でありますが、少し珍しい働き方をしています。

性の多様性について講演する筆者

 勤務先の小学校の管理職や同僚、保護者や子どもも、その多くが私がゲイであることを知っています。ですが、それが仕事をする上で問題になることは、ほとんどありません。私がゲイであることを大きくカミングアウトしたのは2016年でしたが、まさか自分がゲイであることをオープンにして働く日が来るなんて、夢にも思っていませんでした。

 今年の夏休みには、まだカミングアウトしていなかった先生にもさりげなく「実は自分はゲイで、学校以外に講演会の仕事もしているのです」と話しました。その先生は驚くことなく、私に興味を持っていろいろな質問をしてくれました。

 LGBTQ+に対する差別・偏見が根強い世の中で、自らをオープンにすることにはかなり勇気が要りました。「子どもたちに受け入れてもらえなかったらどうしよう」「保護者から苦情が来たらどうしよう」と、内心はかなり焦っていました。その一方で、教員である私ができる範囲でオープンにすることにより、「何か社会のお役に立てるかもしれない」「子どもたちのロールモデルの一つになれるかもしれない」とも思いました。結局、カミングアウトと引き換えに私は正規教諭を退職することにしましたが、今もいろいろな形で学校や保護者、先生方と関わっています。

 時代が移ろい、社会的な変化の中で、LGBTQ+に対する知識・理解も進みつつあります。私がLGBTQ+の全てについて語ることはできませんが、自らの経験や子どもたちとの関わりの中で気付いたこと、学校教育について見えてきたこと、共生社会の実現に向けて必要なことなどについて、読者の皆さんと考えるきっかけになればと考えております。全10回のコラムになりますが、どうぞよろしくお願いします。

カミングアウトした教員のリアルとLGBTに向きあうヒント

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【プロフィール】

鈴木茂義(すずき・しげよし)
公立小学校非常勤講師。上智大学文学部非常勤講師。常設のLGBTQセンター「プライドハウス東京レガシー」のスタッフ。自治体の相談員。専門は特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。1978年茨城県生まれ。文教大学教育学部卒業。14年間の正規小学校教諭としての勤務を経て現職。教員20年目。教育研究会や教育センターでの講師経験も多い。学校に勤務しながらLGBTQや教育に関する講演活動を行い、性の多様性やより良い「生き方」「在り方」について参加者と共に考えている。

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