【教室の中のLGBTQ(3)】LGBTQ+を巡る現状

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 人口に占めるLGBTQ+の割合は、1.6%から8.9%とあるウェブサイトでは言われています(※1)。この数字を私たちのこれまでの人生と照らし合わせて考えれば、「友達や知り合いに当事者がいる」「職場の中にオープンにしている人がいる」となるはずですが、「見たことも出会ったこともない」という方がまだまだ多いと思います。しかし、実際にはLGBTQ+の方は「いないのではなく、見えていない」だけです(※2)。当事者の人がいない、見えないから「配慮する必要がない」「特別な制度を作る必要がない」ということになりがちです。しかし、前回も言及した通り、制度の設計をしていかないと、さらに当事者の人がいないことにされてしまいます。

 2015年、東京都渋谷区と世田谷区を皮切りに、同性パートナーシップなどの取り組みが全国で展開されだしました。このことはLGBTQ+の当事者の存在を、これまで以上に可視化する一歩となりました。21年6月30日現在、全国110の自治体で2018組のカップルがこの制度を利用しています。

 一方で、日本ではまだ婚姻の平等が実現されていません。私もパートナーと一緒に暮らしていますが、法的な根拠と保証がありません。例えば、私たちのどちらかが病気になった場合、病院でパートナーとして関わることができるのかということがあります。家族であるということを、証明するものが何もないからです。

 同性婚が実現することは、これまでいないことにされてきた当事者の生活を法律の面から支えることになります。また、それだけではなく、同性婚が実現することで社会の認知を進める手だてとして活用することもできます。同性カップルなどの存在が今まで以上に可視化され、「私たちの身の回りにも、既に一緒に暮らしている」と感じる機会が増えると思います。かつて私が子どもだったときに出会えなかったロールモデルを、社会の中に増やすことにもつながります。現在、婚姻の平等を求めて弁護団が結成され、全国で裁判が行われています(※3)。

 法律や制度設計の足りなさから、LGBTQ+の当事者は、人生のあらゆる場面で困難に直面することがあります。教育・医療・就労・暮らし・メンタルヘルスなどが、その主なものです。4回目以降では、特に教育に焦点を当てて読者の皆さんと考えていきたいと思います。

※1 LGBT就活・転職活動サイトJobRainbow「LGBTの割合がバラつく理由【13人に1人? 100人に1人?】」より。

※2 「LGBTQ基礎知識パンフレット」 より。

※3 Webサイト「Marriage for All Japan 結婚の自由をすべての人に」より。

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