【教室の中のLGBTQ(4)】LGBTQ+と学校教育の課題

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 LGBTQ+はセクシュアルマイノリティー、性的少数者の総称です。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー、Qはクィア・クエスチョニング、+はそれ以外のさまざまな性の在り方です(※1)

 LGBTQ+の児童生徒や教職員は、学校の中で「既に」「共に」過ごしています。どんなことが課題になるか、いくつかの事例から考えてみましょう。

 ①教職員が学生のときにLGBTQ+について学ぶ機会がなかった。

 知識と経験と慣れがあることで、子どもたちにポジティブな情報発信ができると思います。しかし、当事者である私ですら、教職課程で世の中の多様な性について学ぶ機会はありませんでした。知らないことが問題なのではなく、知る機会が保障されていないことが問題なのです。

 ②マイノリティーについて差別的な発言がある。

 休み時間に同性同士でじゃれていたり仲良くしたりしていると、先生や友達が「お前らホモか?」「レズみたいだな」などと不適切な発言をすることがあります。また、「女らしさ」「男らしさ」の過度な押し付けが、当事者を追い込むこともあります。

 ③子どもたちがLGBTQ+について学ぶ機会が保障されていない。

 一部の教科の教科書や資料集では「発展的な学習として」LGBTQ+について学べる機会はあります。また、当事者をゲストティーチャーで招いて、講演会を行う学校も増えつつあります。しかし、全ての子どもたちが学べる状況にはなっていません。つまり、児童生徒がLGBTQ+について学べるか学べないかは、運次第。宝くじのような状態になっています。当事者の子どもに的を絞って「個別に支援」するだけでは不十分です。なぜなら、当事者の子どもたちも、学校という集団の中で生活をしているからです。集団に対する指導や支援も必要です。私の専門は特別支援教育ですが、LGBTQ+の教育課題と根っこでつながっていることを感じます。

 ④校則や学校スタンダードが厳しい。

 人々の意識や社会の制度設計が「心の性と体の性が一致している」「女性は男性を、男性は女性を好きになる」ということを前提としているため、校則やルールに困っている児童生徒がいます。例えば、トランスジェンダーの子どもは、体の性と心の性のどちらで制服を選ぶのかという壁にぶつかります。宿泊行事の部屋割りもそうです。

 こういった課題にどう取り組んでいけばよいのか、次回以降考えていきたいと思います。

 ※1 明石市「LGBTQ+/SOGIEの基礎知識」

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