【教室の中のLGBTQ(6)】LGBTQ+の人はかわいそう?~授業をつくるとしたら~

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 ゲイ当事者であり、さらには小学校の教員であるということで、私の元には時々ゲストティーチャーとして授業や講演会の依頼が入ることがあります。そんなときは、1単位時間でLGBTQ+の何をどう伝えようかと、悩むことがあります。

 かつて訪問した中学校での話です。少し前の私はLGBTQ+のことだけを、子どもたちに伝えていました。自分自身のライフストーリーやLGBTQ+の基礎知識などについてです。

 授業後に、生徒の皆さんから感想が送られてきました。その中に「LGBTの人はかわいそうですね。頑張ってください」という感想があり、衝撃を受けました。そして、生徒を責めることは全くできず、私の伝え方と伝える内容を考えないといけないと強く思いました。大切なのは「LGBTQ+のことだけをダイレクトに伝える」ことではなく、「LGBTQ+を通して何を考えてもらうか」ということです。

 LGBTQ+の人だけが特別な違いを持っているわけではない、人には見えても見えなくてもいろいろな違いがある、人はどこかの側面を切り取るとマイノリティーの部分が存在する、他者の違いを尊重することは自分の中にある違いを尊重することである。こういった考え方が、授業づくりのヒントになるのではないでしょうか。

 LGBTQ+の児童生徒に対する個別の支援は大切ですが、それだけでは不十分です。子どもたちは学校という場所で集団生活を送っているので、当事者の周りにいる教職員や子どもたちの理解が進まなければ、違いを持った子どもたちの心理的安全性は保障されません。その点で、LGBTQ+を題材とした授業を行うことは、全ての子どもたちにとって教育的効果があるのではないでしょうか。

 とはいえ、学習指導要領への記載もなく、教科書や資料集への記載もまだまだ少ないのが現状です。どのような資料を活用すればよいのでしょうか。

 動画サイトに、授業づくりに使えそうなコンテンツがあるので三つ紹介します。一つ目は、人権啓発ショートムービー「りんごの色 ~LGBTを知っていますか?~」、二つ目は、「きみと友達でいたいから~知りたい、多様な性のかたち~ドラマ「バスケ少年の秘密」、三つ目は「レインボーファミリー(ドイツ)カラフル!~世界の子どもたち~」(NHK for School)です。ぜひ、教職員向けの研修や授業づくりにご活用ください。

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