【教室の中のLGBTQ(7)】LGBTQ+と校則・制服

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 皆さんは制服に、どのような思い出があるでしょうか。私が中学生の時は詰襟の制服。首の周りのカラーが硬くて痛くて、苦手だった記憶があります。高校生の時は、黒のブレザーでした。羽織ったブレザーに格好よさを感じていましたが、ネクタイがワンタッチ式で残念だなと思っていました。

 性別違和を感じるトランスジェンダーの児童生徒は、多くの場合、自分の性自認で制服を選ぶことが難しい状況にあります。性自認が女性なのに、男性用の制服しか選べない。性自認が男性なのに、体の性別であるスカートをはくしかない。例えて言えば、私たちが職場で「自分の性自認と違う服を強要される」状況を考えれば、それが大きなストレスになることは想像に難くありません。

 トランスジェンダーの児童生徒の中には「学校で勉強することが嫌いなわけではない。むしろ勉強はしたいけど、性自認と違う制服に耐えられなくて学校に行けない」と言う子がいます。最近はそういう声が可視化されてきたことから、女子生徒がパンツスタイルの制服を選べるようなケースも出てきました。また、「男子用」「女子用」という名称から、「Aタイプ制服」「Bタイプ制服」という名称に変えた学校もあります。胸元のネクタイやリボンの着用にも、選択肢ができ始めています。一方で、体の性別が男性の児童生徒が、スカートスタイルの制服を選べるようにはなっていません。

 また、制服の選択制を「LGBTQへの配慮」とアピールしたため、かえって使いにくくなったという事例もありました。女子生徒がパンツタイルの制服を選んだからと言って、その全てがトランスジェンダーというわけではないのですが、「あの子、パンツスタイルの制服だから、もしかしてトランスジェンダーなのかな?」という思いを持たせる可能性が出てしまったのです。

 このLGBTQ+と制服の課題が投げ掛けるものは、やはり校則だと思います。最近は全国の学校で、校則の在り方を見直す動きがでています(「その校則、必要ですか? 密着!改革の最前線」NHKほか)。児童生徒に参画してもらう形で、校則の見直しや策定を進めている学校もあるようです。

 障害者の権利に関する条約を策定する際、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という合言葉が生まれたと言われています。LGBTQ+の児童生徒の可視化をきっかけに、今まで以上に居心地の良い学校づくりを考える時期になってきました。子どもたちの力を大いに借りながら、校則づくりを進めていきたいものです。

参考① カンコー学生工学研究所「LGBTQの方々の声を集めて、皆さまに届ける」

参考② トンボ学生服「ジェンダーレス制服」

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