【激甚化する自然災害に備える(8)】防災教育のアップデート②国連防災とSDGsの連動など日本の貢献

滋賀大学教授 藤岡達也

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 2015年3月、第3回国連防災世界会議が仙台市を中心に開催された。この会議の大きな成果として、「仙台宣言」と「仙台防災枠組2015-2030」が挙げられる。前年、ユネスコ会議が名古屋市、岡山市で開かれたが、これは2005年からの「国連持続可能な開発のための教育の10年(UN/DESD)」の総括であった。

 一方、その10年前2005年1月に神戸市で第2回国連防災世界会議が開催され、この会議では2005年から10年間の「兵庫行動枠組:HFA」が採択された。つまり、「兵庫行動枠組(HFA)」とDESDは連動している。

 さらにさかのぼれば、国連は1990年から1999年の10年間を「国際防災の10年(IDNDR)」とし、自然災害による被害の大幅な軽減を図ろうとする決議案を採択した。1994年5月、横浜市で日本がホスト国となり、第1回国連防災世界会議が開催されたが、翌年、阪神・淡路大震災が発生した。1999年に国際防災戦略(ISDR)が採択、その後事務局としてのUNISDR(現国連防災機関(UNDRR)が「仙台防災枠組2015-2030」の実施推進などを行っている。

 近年注目されるSDGs11.bの中でも、ターゲットして「2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う」ことが記されている。この中でもSDGsと国連防災との連動が重視されている。自然災害が直接記載されているターゲットの一部を次に示しておく。

 SDGs1.5「2030年までに、貧困層や脆弱(ぜいじゃく)な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する」

 SDGs2.4「2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する」

 SDGs11.5「2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす」

 つまり、持続可能な社会の構築と自然災害への対応は、「誰一人取り残さない」というSDGs全体を通した考え方と連動しているのである。


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