【教室の中のLGBTQ(8)】知識は自信になる~LGBTQ+を知るということ

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
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 私のもとには、いろいろな学校や子どもに関わる現場から、「LGBTQ+や多様な性について、子どもに話してほしい」と依頼が来ます。教職員向けの研修会の依頼も数多く来ます。これまで知る機会がなかったからこそ、取り組みが進みつつあると感じています。

 人間は知らないことやよく分からないものに対し、不安な気持ちが芽生えることがあります。私に対しても「ゲイの小学校の先生が講師で来るということで、身構えていました」「テレビに出ているオネエタレントのような人が来ると思っていました」などと言われることがあります。身近にいる当事者が「見えていない」からこそイメージが湧かず、見通しが持てなくて心配だという気持ちになるのかもしれません。

 先日、以前に担任していた子どもとその保護者と再会する機会がありました。保護者の方は現在、中学校のPTAに関わる活動をしています。制服の見直しに関して、多様な性の尊重の視点でアドバイスがほしいとの依頼でした。中学校の先生と話し合った後に、保護者のご自宅に伺い、教え子と久しぶりに会いました。すると、次のようなことを教えてくれました。

 「しげ先生、今通っている学校でLGBTに関する授業があったんですよ。クラスの他のみんなはLGBTについて正しく答えることができなかったのですが、僕はクラスで一人だけ全部説明することができました。友達からも、なんでお前そんなに詳しいんだよって聞かれたので、しげ先生のことを話しました。先生のおかげです。ありがとうございました。知識って自信になるのですね。」

 私はとても驚き、うれしい気持ちになりました。そして、教え子の「知識は自信になる」という言葉に、衝撃を受けました。教員の一つの役割として「子どもに知識を与える」ということがありますが、そのことを再確認させてくれる言葉でした。

 性教育やLGBTQ+を入り口とした学習を話題に挙げると、かつては「時期尚早だ」「寝た子を起こすな」という声も聞かれました。しかし、適切な時期に適切な内容を子どもたちに提供することは、まさに「自信を付けさせる活動」になるのではないかと思います。

 「性」という漢字の部首であるりっしんべんは、主に感情や思考といった心の動きに関する字義を示しているそうです。個人的には、性について考えることは、生き方と在り方を考えることだと思います。知識を得ることで、子どもたちが生き方と在り方に自信を持つきっかけになればよいと考えています。

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