【教室の中のLGBTQ(10)】LGBTQ+と教育~今後の展望~

公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ 鈴木茂義
この連載の一覧

 以前、ゲストティーチャーとして伺った学校で、LGBTQ+を入り口として平和について考える授業を行いました。私に関するクイズをしながらLGBTQ+に関する話をしたのですが、高学年の子どもたちのほとんどが「聞いたことがある・知っている」と答えてくれました。なぜ知っているのか尋ねると、「テレビやYouTubeで見た」「親と一緒に『ボヘミアン・ラプソディ』を見た」「親が会社でLGBTQ+に関する研修を受けてきて、その話を聞いた」などと答えてくれました。

 日本の中でも自治体単位で同性パートナーシップ制度が始まり、それを導入する自治体は増え続けています。LGBTQ+に関するニュースをテレビやネットで見ない日はないくらい、情報も増えてきています。

 しかし、世の中のマイノリティーに関するトピックは、LGBTQ+に関することだけではありません。今後は学校や授業の中でも、LGBTQ+だけを題材にして取り上げるのではなく、他のマイノリティー性のあるものについても一緒に考えることが必要です。LGBTQ+についてはより良い言動を取ることができても、他についてはまた一から学び直すことになってしまうからです。

 私は自身のカミングアウトを通して、世の中のマイノリティーについて考えることが多くなりました。大学の専門も特別支援教育でしたし、自分もゲイのマイノリティー。がんのサバイバーや海外にルーツのある子どもたち、ヤングケアラーなどについても一緒に考えるようになりました。マイノリティーを取り巻く困難さを取り除くにはどうしたらよいか、同時にマジョリティーにどうアプローチしていくかも課題です。

 今後も身近にある大きな課題や小さな課題に気付き、行動していくことが大切であると考えます。最近、公園の中でボールが使えるようにしたいと、行政にアクションを起こした子どもたちがいました。コロナ禍の中で、学校行事の実現のために地域の商店街にインタビューを始めた子もいました。制服の選択制実現のためにネットで署名を集め、区長に要望を出した子もいました。これからの時代を生きる子どもたちには「自分たちの学校や社会は自分たちの力で持続させ、より良いものに変えられる」「自分たちには何かを変える力がある」という体験や実感こそが、求められるのではないでしょうか。

 LGBTQ+と教育が投げ掛けるもの、それは子どもも大人も一丸となって世界にアプローチしていくことだと、私は考えます。本連載を読んでいただき、ありがとうございました。

 (おわり)

講演や研修の依頼はこちらから(鈴木茂義「心のオンライン相談ならReme(リミー)」

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集