【ヤングケアラーの子どもたち(7)】学校におけるヤングケアラーの発見と支援

田中 悠美子 立教大学助教・日本ケアラー連盟理事

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 人間としての基礎的な力を養う学齢期にケアの重責が課せられる子どもたちは、教育や自分の力を伸ばす機会を失う危険があります。ケアをしていない子どもと同じようにライフチャンスを確保し、潜在能力を開花できるような社会的支援が求められます。また、18歳以上の若者が進学や就労の機会を逃してしまわないためにも、継続的な支援が必要になります。

 その上で、まずは学校や介護サービスなどで身近な大人が変化に気付き、早期発見をし、適切な支援につなげることが重要です。埼玉県ではヤングケアラー支援施策の一環として全国で初めて「ヤングケアラーサポートクラス」という中高への出前講座を実施し、生徒や教員への啓発や理解の促進をしています。少しずつ具体的な取り組みが始まってきているところですが、今回は学校においてどのような対応ができるのかを考えていきたいと思います。

 国が行った学校の調査では、ヤングケアラーに該当すると思われる子どもの有無について、中学では「いる」が46.6%、「いない」が34.0%、「分からない」が19.4%、全日制高校では「いる」が49.8%、「いない」が16.5%、「分からない」が33.3%でした。そして、「いる」と回答した学校に、学校以外の外部の支援につなぐケースがあるかを尋ねると、「外部の支援にはつながずに学校内で対応している」のは、中学校で37.9%、全日制高校で62.9%でした。また、「要保護児童対策地域協議会に通告するほどではないが、学校以外の外部の支援につないだことがある」のは、中学校で43.0%、全日制高校で23.4%、「要保護児童対策地域協議会に通告したケースがある」のは、中学校で19.4%、全日制高校で8.1%でした。

 学校において、生徒の言動の変化や悩んでいる様子などに気付くことができるのは、担任の教員、部活動の顧問、保健室の養護教諭など身近な大人であると思います。当事者は気付きにくかったり、SOSを出しづらい心情もあったりするため、まずはヤングケアラーの存在を認識し、本人がしていることを認める関わりをしていただきたいのです。過度な励ましや親を非難するような発言は控えるべきです。その上で、子どもの気持ちを話せる人づくりや場づくりを継続的にしていくことが大切だと思います。

 2016年に行われた神奈川県藤沢市の調査では、学校における具体的な関わりとして、第一に子どもの話を聴くこと、そして、学習面での配慮やサポート、保護者との面談や助言がありました。一人の先生が抱えてしまうのではなく、校内で情報を共有し、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、地域の民生児童委員などと連携し、組織的な対応を検討していくことが重要です。

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