【コロナ禍の学校を支えるアンガーマネジメント(10)】コロナ禍の学校を支えるには

川上淳子 Edu Support Office代表

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 「これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい」

 これは、新しい学習指導要領の「改訂に込められた思い」です。

 2020年から2年、先生方は予測困難な時代のただ中を過ごし、懸命に乗り越えてきました。今後も自然災害、新興の感染症など、想定外の出来事が起こることでしょう。しかし、そのたびに怒りを感じ、不安に押しつぶされていては先に進むことができません。

 コロナ禍にあって子供たちが抱えている「辛さ」は一様ではないことでしょう。「辛さ」に一画を加えると「幸せ」。この「一」に当たるものがアンガーマネジメントだと私は考えています。

 日本アンガーマネジメント協会公式サイト※には、長年の努力が実り、学研教育みらいより刊行された中学校道徳教科書『中学生の道徳 明日への扉』に、アンガーマネジメントが採用されたと記されています。アンガーマネジメントは文科省から認められ、感情理解教育を推進する大きな一歩を踏み出しているのです。

 「怒りの連鎖を断ち切ろう」――これは日本アンガーマネジメント協会の理念です。全ての人が自分の感情に責任を持てれば、私たちは怒りの連鎖を断ち切ることができると信じています。アンガーマネジメントができる人は怒りを連鎖させません。職場で、学校で、家庭で誰かの怒りを受け続けていては、人は能力を発揮できません。誰もが安心して仕事をし、学校や家庭生活を営むことは、個人にとって重要なだけではありません。アンガーマネジメントができる人が増えれば、人が人に当たらない社会を実現することができるのです。アンガーマネジメントが目指す社会は、一人一人の努力で創ることができるのだと分かったとき、心震える思いがします。

 原稿を執筆中、子供たちに関わる不幸な出来事が相次いで起きました。危害を加えた人が、自分を怒らせるものの正体が「誰か」や「出来事」ではなく、自分の「べき」だと理解していたら、人の命を奪うことなく、健全な行動を選択できたのではないかと悔やまれてなりません。

 本連載を最後までご高覧いただき、ありがとうございました。コロナ禍の学校を支えるには、アンガーマネジメントができる先生が必要です。子供たちが「思い描く幸せ」を実現するために、アンガーマネジメントを知るための一歩を踏み出してみませんか。

 (おわり)

Edu Support Office公式サイト

※協会公式サイト_プレスリリース「日本アンガーマネジメント協会が“教育現場における教師と子供の怒りの実態”に関する調査結果を発表! 2019年4月、中学校の道徳の教科書に『生命尊重』『いじめ防止』に繋がるテーマのひとつとしてアンガーマネジメントを掲載!」

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