
合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子
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ICT支援員は、先生が本来の業務に集中していただくために、さまざまな支援をしています。しかし、実はできないこともあります。とても大切なことなので、今回はそのことをお伝えしたいと思います。
1 授業支援でできないこと
ICT支援員は、教員免許を持っていたとしても、担当する学校に教員として採用されているわけではありません。そのため、ICTを使う授業だからといって、授業を丸ごと請け負うことはできません。先生がICT支援員に児童生徒を任せて、教室から立ち去ってしまうようなことは絶対に避けてください。これは教員免許制度※という点で違反になります。
2 校務支援でできないこと
次に気を付けていただきたいのは、「個人情報の取り扱い」です。学校では年度末になると、「年次更新」と言われる、年度を越える際に発生するさまざまな業務を依頼されることがあります。この「年次更新」には、学校が保有する個人情報を含む重要なデータも含まれます。一例として
- 新年度に向けた児童生徒のアカウント更新
- 新入生用のアカウント作成
- 各種アプリケーションのアカウント登録・更新
などが考えられます。
学校には個人情報が至る所にあります。氏名・住所・電話番号・メールアドレス・パスワードなどの他に、成績や出欠席の記録、身体測定の結果なども個人情報に当たります。ICT支援員が一人でこれらを取り扱わないように気を付けましょう。児童生徒の写真や作品データも、同様に注意が必要です。取り扱いにおいてはルールを決めるようにしましょう。
3 環境整備でできないこと
障害対応時にも気を付けるべきことがあります。それは「仕様に影響する可能性がある設定変更」や「物理的な修理に当たる行為」についてです。
例えばiPadなどは個人でも持っている人が多いですが、学校のiPadはそれとは違います。GIGA端末は集中管理がなされていて、機能が制限されている場合もあります。不便だからと無理やりその制限を外そうとすると、取り返しのつかないことになります。また、破損すれば保証が利かなくなることもあるので注意が必要です。