【GIGAを徹底的に使い倒す(1)】GIGAスクール構想で何が変わるの?何を変えるの?

為田裕行 フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役

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 小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末を整備する国の「GIGAスクール構想」の実現に向けて、日本中の教育委員会、学校が取り組みを進めています。昨年度から今年度にかけ、教育現場は新型コロナウイルスへの感染予防対策をしながら、子どもたちの学びを止めないために、授業動画を配信したりオンラインで家庭とのやりとりをしたり、ICTの活用を進めてきました。

 弊社は教育委員会や学校向けのコンサルテーションを業務としており、私は全国各地で教育研究会や管理職研修、校内研修での講師をさせていただきました。1人1台の情報端末をどう使ったらよいのかを学びたいという先生方の熱意を強く感じた日々でした。こうした研修は対面形式だけでなく、オンラインでも数多く行われました。オンラインで教員研修をするなど、2年前だったら考えられなかったことです。学校も先生方も、大きく変わってきていることを感じています。

 全体としてICTを教育現場で活用する機運は高まっていますが、小中学校に配備された1人1台の情報端末の使われ方は、学校や自治体によって大きく異なります。2021年度の夏休み明けに分散登校が実施されていたときにはオンライン授業をがんばって実施したものの、それ以降はほとんどICTを活用しなくなってしまった学校も多いのではないでしょうか。

 GIGAスクール構想によって小中学校では1人1台の情報端末がほぼ配備されていますし、高校についても配備を進めている自治体があります。配備された端末を「使っているか・使っていないか」で評価する段階を超えて、今は「どう使うのか」という議論をしなくてはなりません。

 1人1台の情報端末が配備されることで、児童生徒が新しい学び方、考え方、表現の仕方、情報のやりとりの仕方を学べるようにしなくてはなりません。これらの力は、デジタルテクノロジーが普及しているこれからの社会で自己実現をする上で大きな武器になるものでしょう。そのためのGIGAスクール構想であり、そのための1人1台の情報端末の配備です。

 ただし、これらの力はただ端末を持たせていれば自然に身に付くものではありません。先生方のこれまでの教育実践の蓄積の上に、新しい学び方、考え方、表現の仕方、情報のやりとりの仕方の道具として、ICTをどう組み込んでいくかが重要です。これは先生方にしかできない仕事だと思っています。

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【プロフィール】

為田裕行(ためだ・ひろゆき)
1975年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、大手学習塾企業へ就職。一斉指導、個別指導、合宿教育などの現場で鍛えられ、1999年フューチャーインスティテュートの設立に参画。「学校がFuture Readyになることをお手伝いする」を行動指針に、現場への教育ICT導入の可能性を模索。幼稚園・小学校・中学校・高校・大学の教壇に立つと共に、学校向けの教育コンサルテーション、教材、サービス、教育書や教育テレビ番組などの教育監修を行っている。著書に『一人1台のルール』、共著に『学校アップデート 情報化に対応した整備のための手引き』(共に、さくら社)。

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