【ICT支援員の仕事と役割(5)】ICT支援員に向いている人

合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子

この連載の一覧

 ICT支援員は、「情報通信技術支援員」という名称とその職務内容が規定されました。以前のICT支援員に比べて、「communication」が「通信」となったことでイメージ的にはなんとなく「IT」に近くなり、SE(システムエンジニア)のようなイメージがする方もいることでしょう。

 しかし、この「情報通信技術支援員」に最も大切な能力は、機械的な「通信」技術の専門的知識ではなく、「対話」「思いやり」「想像力」「表現力」など「C」の部分であるということをお伝えしたいと思います。

 近年、学校のICT機器やアプリは教育に特化して開発され、一般ではあまり使われないものが増えてきました。GIGAスクール構想で導入されたクラウドサービスなども実は「for Education」であり、一般人が使えない機能がたくさんあることは前回お話しした通りです。新しいサービスを理解するため、ICTを支援する人材はITに長けていなくてはいけないと思われがちですが、必ずしもそうではありません。

 私は研修で「ICTの基礎体力を付けてほしい」とICT支援員の人たちにお話ししていますが、これは高度なSEのスキルというより、コンピューターとネットワークの基礎知識という意味です。

 どんな新しいアプリケーションやサービスも、コンピューターやネットワークの技術の上に成り立っているので、ベースの仕組みが分かっていると応用が利きます。また、こだわりがないこと、好奇心があることも、ICT支援員に必要な資質です。

 また、学校では「教材を作成したい」「データを取りまとめたい」などの要望もあるので、そうした作業を素早くこなせるスキルも大いに役立つでしょう。最近では動画・音楽・画像の編集や配信技術も求められるようになってきて、よりクリエーティブなスキルが必要になってきているとも言えるでしょう。

 ICT支援員を目指す人に知ってほしいのは、先生を支援するなら、「ICTは簡単で楽だ」という実体験と自信を提供すること、「困ったら助けてくれる人がいる」という安心と信頼を提供することが、最重要だということです。

 どんなに低い階段でも、上り慣れるまでは1段だけでくたくたになるかもしれません。でも、先生は頑張り屋の方が多いので無理をしがちです。成功体験はほんの少しずつでよく、必要なのは「継続力」です。繰り返し対話しましょう。安心と信頼は支援員が自分の知識を饒舌に語ることにではなく、先生の言葉を黙って最後まで聞き、理解し、質問できる「傾聴力」によって獲得することができます。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集