【GIGAを徹底的に使い倒す(2)】そもそもデジタルとは何か

為田裕行 フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役

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 教育委員会や学校での教員研修で、「GIGAスクール構想後の学び」や「1人1台時代の授業」などのテーマで講演をさせていただくと、「操作方法の説明をしなくてはならないので面倒だ」「私はコンピューターが苦手なので、あまり使わないと思う」と正直に打ち明けてくださる先生方もたくさんいます。

 確かに、最初は児童生徒も先生方もICTの操作の熟達に時間がかかると思います。ただ、コンピューターを高頻度で使うようになれば慣れていくので、中長期的に見れば問題は改善されていきます。

 それでも、操作に慣れるための最初の大変な時期を乗り越えるためには、「なぜICT(=デジタル)を導入しなければならないのか」ということについて、学校全体で納得する必要があると思います。そのため、学校で研修をするときには、ほぼ必ず「そもそもデジタルというものが我々にとってどういうものなのか」について考えてもらっています。先生方に「デジタルとは○○だ」という文章を考えてもらうと、「あれば便利(なければそれでもいい)」や「これからは必要不可欠」などの答えが出てきます。

 デジタルを「あれば便利なもの」程度に考えているのであれば、学校での活用は進んでいかないと思います。デジタルとは、「あれば便利なもの」程度の認識でよいのでしょうか。私は個人的に、「デジタルとは眼鏡のように、能力を拡張してくれるものだと思っています」と言うようにしています。視力が弱ければ眼鏡をして視力を拡張して補うように、デジタルを使うことで人間の能力は拡張されていくと考えています。手書きでできなかった作文の仕方が、ワードプロセッシングの機能を使うことで可能になる。表計算ソフトを使うことで今までできなかった回数の計算ができるようになる。インターネットの検索機能を使うことで、全てを記憶しておかなくてもよくなる。これらは全て、デジタルによってもたらされる「能力の拡張」だと言えます。

 そう考えると、これから社会に出ていく子どもたちが自分たちの能力を拡張させるためにデジタルを使えるようになってもらうことは、学校にとって本当に大きな役割となります。これは、デジタルを「あれば便利なもの」というくらいに思っているのでは全然足らないということだと考えています。

 次回以降は、子どもたちの能力を拡張する道具としてデジタルを使いこなせるようになるために行われている授業事例を紹介していきたいと思います。

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