
労働ジャーナリスト・職場のハラスメント研究所所長 金子雅臣
この連載の一覧
パワーハラスメントは、相手を怒らせたり、不快にさせたりしていることが原因で起こります。パワハラを受けないためには、自分自身の仕事に対する取り組み姿勢や、日頃の言動を振り返ることも必要です。
1 日頃の振る舞いを見直す
(1)上司不満
「上司が悪い」「仕事がつまらない」と思っていれば、口に出さなくても相手には伝わります。不機嫌な顔つき、攻撃的な口調、乱暴な態度を取っていないか、冷静に自分の態度を見直してみましょう。
(2)「でも…」「だって…」と言う前に
問題点を指摘されたときに、とっさに言い訳をしていないでしょうか。指摘した上司は、毎回言い訳ばかりを聞かされていると、うんざりします。まずは指摘を受け止めて、その上で言い訳があればする。これが順序です。
2 自信を持ってハキハキとした態度で話す
(1)自信のない態度は、相手に悪い印象を与える
はっきりしない話し方、自信のなさそうな態度は、相手に不安を与えます。「こいつに任せても大丈夫だろうか」という不安は、時にいら立ちや怒りを買うことにもなりかねません。
(2)「できません」という前に
上司からの新たな指示に対しては、忙しさからつい「できません」「無理です」などと即答しがちです。そう返す前に「できる条件」を考えて、前向きな返事を心掛けましょう。
具体的に、「今は手いっぱいですが、この仕事を仕上げたらやらせてください」などと、NOではなくYESを前提とした返事を心掛けることが大事です。
3 分からないことは聞く
(1)分からないことをそのままにしておかない
分からないまま仕事を進めてしまうと、後で取り返しのつかない問題が発生してしまうこともあります。入り口でのささいな食い違いが結果に大きな影響を与え、自分一人で責任を負うこともできなくなってしまいます。意味が分からない指示は早めに聞き直して、正確に理解しておくことが大切です。
(2)ホウレンソウは欠かさずに
パワハラが起きる最大の原因は「報告・連絡・相談」をしないことだと言われます。「相談」や「報告」がなければ、上司は問題を抱えていないと判断します。このコミュニケーションギャップが後に「何で報告しなかった」「何で相談してくれなかった」という怒りとなります。
(3)ミスは素直に認める
間違いを指摘されることは、愉快なことではありません。「言われなくとも分かっている」こともあるでしょうが、間違いを起こしたのはあなたですから、そこはぐっとこらえて素直に過ちを認めることが大切です。