
為田裕行 フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役
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2021年7月16日、埼玉県の戸田市立新曽小学校を訪問し、小林湧先生が担当する6年2組の授業を参観させていただきました。

この日は金曜日だったので、小林先生が「今週の振り返りを書きましょう」と言うと、子どもたちは自分のChromebookを使ってGoogleドキュメントに振り返りを入力していきました。その際に小林先生は、「自分やクラスが、『ここ成長したな』『もっと成長したらよかったな』というところを書くんだよ」と伝えていました。
子どもたちは全員、同じGoogleドキュメントを使っていますが、振り返りの書き方はそれぞれ違っています。ある子はGoogleカレンダーをスクリーンショットで撮って、Googleドキュメントに貼り付けていました。授業のこと、課外活動のこと、委員会のこと、当番のことなど、学校でのいろいろなことを思い出しながら書くのに、Googleカレンダーは確かに便利です。いちいち画面を切り替えるのではなく、スクリーンショットでドキュメントに貼り付け、同じ画面で見られるようにして文章を書くという方法は、普段から使っているからこそできる工夫です。
画面を見せてもらうと、一つのドキュメントに日付を書いて、どんどん下に書き連ねていくような形になっていました。こうして一つのドキュメントに書き続けていけるのは、デジタルの良いところです。
一つのドキュメントにまとまっていると、デジタルポートフォリオの役割も果たします。自分の以前の振り返りの文章を読み返したくなったときにも、「振り返りのプリント、どこ行ったっけ?」と探す必要もありません。デジタルだからこそ、学びの過程も記録しておくことが可能になります。
新曽小学校では夏休みにもChromebookを持ち帰るため、一人一人が家庭でどのようにChromebookを使うかのルールを自分で作る活動もしていました。そして、持ち帰ったChromebookで夏休み中にも毎週の振り返りを書いていました。
学校に登校していなくても、子どもたちが「今週の振り返り」を書いていて、それを先生が見られるのも、デジタルならではです。
デジタルを使ったこうした活動が、子どもたちが日々を振り返るときにどんな影響を与えるのかについて、こうした教室での実践が蓄積されることによって、良い事例として学校文化に残っていくといいなと思います。