【GIGAを徹底的に使い倒す(5)】1人1台あれば、いつでも何度でも試行錯誤できる

為田裕行 フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役

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 1人1台の情報端末は、数学の授業にも活用することができます。数学的な思考や表現の方法を、アナログだけのものからデジタルも含めたものに拡充することができるのです。

デジタル教材を使っていても、デジタルだけではなく、アナログと組み合わせながら学んでいく

 生徒が1人1台のChromebookを活用している秋田県立秋田南高等学校の中村東先生の「数学Ⅲ」の授業をオンラインで参観させていただきました。

 同校では、学校指定の副教材をデジタル教材プラットフォーム「Libry」を使って提供しています。Libryは学習履歴に応じて類題を表示してくれるので、生徒は自身の習熟度などに合った問題に取り組んでいくことができます。

 授業中に中村先生が指定した問題をLibryで解くときには、ノートに解答を書き、その後、自己採点をします。自己採点の結果は各自で端末から入力し、先生のところに集約されるようになっています。

 Libryの先生用画面では、生徒が取り組んだ問題別の正答率を確認することができます。紙のノートにそれぞれの生徒が解いた問題を採点して正答率をまとめるのは簡単ではありませんが、デジタルで集約すれば簡単にできます。中村先生は、問題別の正答率一覧を生徒たちに見せて、正答率の低い問題を中心に補足の解説をしていきます。生徒たちは手元の端末でLibryの該当問題を見ながら、中村先生の解説を聞いていました。

 生徒たちが問題を解いているとき、中村先生は生徒たちに問い掛けもし、黒板を使って代表の生徒に解いてもらう時間も設けていました。全てをデジタルで完結させるのではなく、黒板なども使い、教室全体で考える場面もつくっていました。全てがデジタルになってしまうわけではなく、デジタルとアナログを融合させた授業展開になっていきます。

 Libryだけでなく、中村先生の授業では、グラフ計算機「Desmos」も使っていました。問題に取り組んでいるとき、中村先生が「Desmosで入力してみて」と言うと、生徒たちは自分のChromebook上に数式を入力してグラフを作っていきます。数式を入力すればすぐにグラフが作成されるので、何度も数式を入力してグラフを描くなど、試行錯誤をしながら考えることができます。

 もちろん、必ずDesmosを使わなければいけないわけでもなく、中には手描きでグラフを描いている生徒もいます。1人1台の端末を活用することで、こうしてデジタルとアナログのどちらも思考のツールとして使えるようになることが、とても重要だと思います。

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