【ICT支援員の仕事と役割(9)】「混乱期」を乗り越えるためのICT支援

合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子

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 前回、ICT支援員が頻繁に訪問できない学校は、環境を整えることに注目するとよいという話をしました。これはGIGAスクール構想の最初の段階で必要な支援です。「ネットが遅い」「端末が持ち帰れない」「フリーズしたらどうすればいいのか」などの話は、この「混乱期」にありがちな現象でもあり、その一つ一つに支援員が知恵を絞っています。

 混乱しているということは「使おう」としているということです。先生方の不安を考えると心が痛みますが、一歩踏み出してくださったことを私たちはうれしく思います。

 すでに活用が進んでいる学校では、先生方で軽微な対処ができるようになっているかもしれません。ネットに負担がかかる大きなデータの共有を避けたり、固まってしまったら再起動してみたりと、いつの間にかトラブルを予測して対処できるようになった先生もたくさんいることと思います。

 活用が進む学校は、環境的な要因で授業が止まるケースが少ないことが挙げられます。ネットの問題が生じても別のやり方で回避できるなど「先生のリテラシー向上」、クラウドサービスを全員の先生が使い始めているなど「足並みのそろった取り組み」、子どもたちが自分のアカウントを持って先生とのコミュニケーションを始めている「子どもたちの体験を重視した計画」などです。

 そして、活用が進んだ段階で、今度は児童生徒の「混乱期」が来ます。先生方にお伝えしたいのは、「ここで嫌にならないでください」ということです。端末の破損、いたずら、授業以外のことをする、子ども同士で勝手にやりとりする、子ども同士のトラブル…といったことが起こるのは想像に難くないでしょう。

 ここでICT支援員の出番です。例えば、授業中に他のことをする子には幾つか理由があります。「操作について行けない」などです。先生方にとっても「文房具のように」使うには、子どもたちがノートの置き換えができるレベルで使えなくては困るでしょう。支援員が毎回、授業支援に入ったとしても、この壁はなかなか越えられません。

 それよりも週1回、ICT支援員の訪問時に「タイピング教室」を開いてもらってはどうでしょう。タイピング練習のサイトを紹介してもらい、毎週1回5分だけでも構いません。もし、休み時間などにも自由にタイピング練習ができると、あっという間に文字入力は習得できます。教えるICT支援員も、ぜひタッチタイピングをマスターしてください。

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