【ICT支援員の仕事と役割(10)】未来を創る人を支えるICT支援員

合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子

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 今、日本の教育は急激に変わろうとしています。一方で、これまでも教育の情報化は、長い歴史の中で何度も変わろうとしてはくじけてきた事実があります。「くじけた」と言うと語弊があるかもしれません。でも、約20年にわたり、現場でリアルに先生や子どもたちと向き合い、何百校ものICT機器の導入や研修、サポートをしてきた経験を基にお話しすれば、導入の度に先生方が「活用をしよう!」と動き出すと早速「混乱期」が起こる。せっかくそれを越えたかと思うと、次はどこかで事件が起こり、報道が過熱して「活用を抑え込む技術」が生まれてしまう。そんなことが繰り返されてきたように感じています。悪い一点を見て全体を止めるのはとても速いのに、良い一点は全く広まらないことを思い知らされてきました。

 しかし、GIGAスクール構想が実現した今、もう学校のICT化が止まることはないと思っています。全ての関係者がオンラインを知った今、良い一点を広めることはできるはずです。学校がオンライン授業を経験し、世間もリモートワークを経験したことで、間違いなく学校は変わっていきます。20年以上なかなか変わらなかったものが、さまざまな偶然と人々の問題意識と努力、好奇心で動きだしていくことを期待せずにはいられません。

 端末はこれから徐々にBYODに移行すると思います。そうなれば加速度的に整備が進み、教室の姿も変わっていくでしょう。PCルームがパワーアップするかもしれませんし、もっと別の施設や設備が整うかもしれません。

 ICTが日常化すれば、ICT支援は不要になるという方もいます。しかし、機械がより正確に、人間の意思通りに仕事をするようになっても、それを使うのは生きた人間です。人間がICTに使われるのではなく、人間らしくICTを使うなら、そこにトラブルや課題が生じなくとも、「発見」や「やりたいこと」が生まれるでしょう。

 これからの時代、私はICT支援員こそがICTの最も良き使い手として、先生や児童生徒に良い活用のアイデア提供できる人だと証明したいのです。ICT支援員という仕事には、経験した人をそのように育てる力があります。

 そして将来はこの仕事を学校のみならず、みんなを幸せにするために新しいICTの在り方を創造する、そして自らスキルアップに励む人をコーチングできる、そんなすてきな職業に進化させたいと思っています。

 (おわり)

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