【GIGAを徹底的に使い倒す(7)】低学年がデジタルとアナログの違いを考える

為田裕行 フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役

この連載の一覧

 2021年10月20日、宮城教育大学附属小学校を訪問し、新田佳忠先生が担当する2年4組のコンピュータサイエンス科(以下、CS科)の授業を参観させていただきました。宮城教育大学附属小学校ではより適切にコンピューターを活用するために、その特性や原理についての科学的な理解を学ぶことを目指して、年間10時間のCS科を設けてカリキュラム開発と授業研究を進めています。

作品の制作過程をミラーリングして共有する

 授業の冒頭、新田先生は「算数の時間に三角形・四角形を組み合わせて絵を描いたよね」と言い、子どもたちが三角形や四角形を組み合わせて描いたリボンやお城の絵を黒板に貼りました。その後、子どもたちに「これ、コンピューターでできるかな?」と言い、「今日は、コンピューターで形を作った絵を描こう」と、この日のめあてを伝えました。

 子どもたちはiPadの「Sketches School」を起動し、三角形や四角形を使った絵を描いていきました。大きい形を一つだけ描く子がいれば、小さい形をたくさん描いて組み合わせる子もいました。

 途中、完成した絵を教室前方のモニターにミラーリングして紹介することもありました。作品をみんなで見ることで、「こういう機能があるよ」「こういう絵も描けるよ」といった説明ができるので、子どもたちの作品の幅が広がります。

 授業の後半、新田先生は「算数の時間では手で描きました。今回はコンピューターで描きました。自分としては、どっちが描きやすかった?」と子どもたちに問い掛け、手描き派とコンピューター派がそれぞれ、良いと思うところを挙げていきました。

 手描き派からは、「(コンピューターだと)機能が多過ぎて、指で描いちゃったりもする。手描きだと鉛筆とかで線を引けるから、そっちが好き」「手描きの方が楽しい」などの意見が出ました。

 一方、コンピューター派からは、「すぐに塗りつぶせる」「すぐに戻せる」「きれいに消せる」「コピーが簡単にできる」などの意見が出ました。

 新田先生は、出てきた意見を黒板にまとめながら各意見に関連する機能を大型モニターで実演していきます。機能を見せると、子どもたちが「そうそう!」と同意の声を上げていました。

 こうして紙とコンピューター、アナログとデジタルの違いについて考える機会をつくることで、子どもたちはデジタル・アナログの両方を使えるようになり、どちらを使うかを自分で選べるようになっていくと思います。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集