【1対1のメンタリングで若手育成(1)】「メンタリング」がみんなの働きやすさにつながると信じて

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

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 「自分自身の課題と向き合う良い機会になりました。自分で解決方法を考えて、できることの中で取り組みを決めていけるので、実践しやすかったです。一生懸命考えた授業は、自分もやっていて楽しいなって思いました」

 これは、メンタリングに取り組んだ経験年数4年目の若手教員の言葉です。「メンタリングが、きっとみんなの働きやすさにつながるはず!」という思いから、多くの方に知っていただきたくて、こちらで連載をさせていただくことになりました。

 私は教員10年目を終えたタイミングで、教職大学院に進学する機会に恵まれました。そこで出会ったのが、この「メンタリング」です。2校目に勤務していた時、「どうしたら若い人に伝わるのかしら……」というベテラン教諭の言葉を耳にしました。私はそれまで「経験豊富な先輩方に一歩でも近づけるように」との思いで目の前のことに必死でしたが、先輩方も若手を育成するために悩まれているのだと驚きました。

 その時、ふと「自分はどのように育てていただいたのだろうか」と思いました。初任の1年間でうまくいかないことは数えきれないほどあり、周りの方を悩ませていたと思います。ですが、何とか乗り越えられたのは、支えてくださった先輩方のおかげでした。

 ある先輩は私の話を聞くと、「そういう時ってあるよね。私はね、こんなふうにしてみたんだ」と共感しながら、さりげなく解決方法を提示するなど、いつも親身になってくださいました。その先輩と話をすると、日頃の悩みや分からないことがすらすらと言葉にできたのです。その方とは1年しか職場をご一緒できませんでしたが、対話を重ねた1年間は今の自分につながる、大切な時間でした。まさに「メンタリング」だったように思います。

 多くの先生が、「若手に教えるって本当に難しい。自分の時とは何だか違うなあ」「頭では分かっているんだけど、できないんだよなあ」といった悩みを持ったことがあるのではないでしょうか。

 その解決の糸口が、メンタリングから見えてきました。私が実践した1対1のメンタリングは、メンティ(学び手)が自ら課題意識を高め、解決方法を導き出し、解決できることへの自信を付けるためにメンター(支援者)と共に学ぶ手法です。

 次回からは、私が現場で「メンタリング」に取り組む際に大切にしてきたことや実践例について紹介していきます。私たち教員が「学び合う学校」をつくるために大切なことは何なのか、考える一つのきっかけにしていただければ幸いです。

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【プロフィール】

玉虫麻衣子(たまむし・まいこ) 横浜市立大鳥小学校教諭。神奈川県出身。大学卒業後、横浜市立小学校の教員となる。メンターチームのリーダーを務め、若手教師の成長に関心を持つようになる。その後、横浜国立大学教職大学院へ進学・修了。そこで学んだ「メンタリング」の視点を現場に取り入れようと、日々実践中。

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