【1対1のメンタリングで若手育成(3)】メンティと一緒に立てるメンタリング計画

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

この連載の一覧

 ここからは、私が取り組んだ9カ月のメンタリングの実際をご紹介したいと思います。

 A教諭は、学級担任2年目で、いろいろと学びたいという気持ちがある様子でした。そのサポートができたらと思い、メンタリングの打診をしたところ、二つ返事で「お願いします!」と言ってくれました。メンタリングでは課題意識を持って臨んでほしいと考えていたので、次の二つのことに取り組みました。

メンタリングでは、メンターがメンティのクラスに入って授業の様子を見ることも

 一つ目は、A教諭とざっくばらんに話すこと。「今年はどんなことが楽しみ?」と問い掛けると、A教諭は目を輝かせながら抱負を語ってくれました。話を進めると、「45分間、子どもが楽しめる授業をできるようになりたい」と、授業力を向上させたいという思いが見えてきました。それまでも丁寧に授業準備をしてきたA教諭でしたが、「自分は経験が少ないので、子どもが興味を持てるようにするための引き出しや知識がない。低学年だから飽きないような工夫がしたい」と、子どもの実態に合わせた授業づくりの難しさを語っていました。

 二つ目は、A教諭のクラスに入って子どもとの関わりや授業の様子を実際に見ること。とはいえ、普段の教室に先輩が入って来ると、緊張してしまうこともあります。そこで、事前に「先生のサポートをしたり、子どもの様子を見せてもらったりしながら、一緒に良い方法を考えていきたいんだ」とA教諭に伝え、T2のような形で入りながら授業を見ました。そこで気付いたことは、A教諭がどんなときも穏やかに子どもと接することや、子どもがA教諭の説明を十分に理解できていないこと、A教諭が子どもの学習の進捗(しんちょく)状況を十分に把握しきれていないことでした。

 私はA教諭のすてきな姿をこれからも大切にしてほしいと思うと同時に、「まずは子どもの様子に気付き、それに応じた手だてを講じられるようになっていけたらいいな」と思いました。そしてそれが、A教諭自身の授業力を向上させるポイントであると感じました。そうして、メンティの課題とメンタリングの方向性が見えてきました。

 メンティの希望で、教科は最も授業時数の多い国語にしました。そして、継続的に取り組むために、一つの単元を通してメンタリングに取り組むことになりました。また、授業を終えたその日の放課後に一緒に授業を振り返り、次の授業の計画を立てることにしました。

 計画を立てるところから1対1で取り組み、場所は職員室以外のスペースを確保するなど、周りの目を気にせず素直な気持ちを打ち明けやすい環境づくりを心掛けました。

 次回は実際にどのような流れでメンタリングを進めていくのかについてご紹介します。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集