【1対1のメンタリングで若手育成(4)】経験学習モデルに基づく1対1メンタリングとは

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

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 今回は、1対1メンタリングの一連の流れをご紹介します。

 私はメンタリングを教職大学院の授業で学んだコルブの「経験学習モデル」(図参照)に基づいて実践しました。「経験学習モデル」はさまざまな職種の人材育成において着目されている「具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→能動的実験」という4つのプロセスをたどるサイクルです。それをメンタリングに当てはめると、「授業実践→授業を振り返る→課題解決の方法を見いだす→やってみる」となり、この流れで継続的に取り組むことが教師の成長につながると考えました。

コルブの「経験学習モデル」に筆者が加筆したもの

 具体的には以下のような流れで実践していきます。

 ①メンティの授業実践(具体的経験)は、メンティが実際に授業をする場面です。メンターは次の②で振り返りの視点を絞れるように、記録を取りながら見学します。

 ②授業を振り返る(内省的観察)では、1対1でその授業がどうだったかを振り返ります。メンティが感じる課題に寄り添いながら、メンターの気付かせたい話題も関連させることで焦点化しながら振り返りをします。

 ③課題解決の方法を見いだす(抽象的概念化)では、②で明らかになった課題を解決するために何が大切なのか、どうすればよいのかを共に考え、メンティができそうなことを選択します。

 ④やってみる(能動的実験)では、③の課題解決方法を次の授業で実践します。

 この①~④のサイクルを1単元を通じて繰り返し行っていきます。校内で行われる多くの授業研究は、事前に指導案の検討を行い、1時間の授業を多くの人たちで参観し、事後協議や講師からの指導を受けて学ぶ取り組みです。それに対して1対1のメンタリングでの授業改善は、次の実践に生かすための方法をメンティ自身が実現可能性を考慮しながら選択し、実践してメンターと共に振り返る、という取り組みを継続的に行う点に大きな特徴があります。

 私自身、授業研究を終えるとつい「分かったつもり」になってしまい、授業の理想像は持てても、実践に生かせなかった経験があります。もしかすると、同じような経験は若手教師も数多くしているのかもしれないと、メンタリングを進める中で思うようになりました。

 では、自分で気付き、実践に生かすにはどうすればよいのでしょうか。次回は、「①メンティの実践」「②授業を振り返る」の具体的な取り組み方やポイントについてご紹介します。

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