【1対1のメンタリングで若手育成(7)】実践!1対1メンタリング~普段の授業見学で学べること~

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

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 本連載の第6回の一連のメンタリング後、メンティには新たな気付きが生まれました。それは、手だての有効性こそ認識できたものの、1時間の中で支援することの難しさがあるということ、つまり予想以上に子どもが活動に時間を要したのです。

授業の課題をホワイトボードに書いて可視化

 その原因としてさまざまなものが考えられますが、ここで課題を「タイムマネジメント」に焦点化しました。メンターである私が、「時間を見たら、前半25分が先生の説明で、子どもが書く時間が25分。もし、これを変えるとしたら、どうしたらいいかな?」と問い掛けると、メンティは「質問が出てきちゃうんですよね…。個人的な質問と、全体で共有する必要がある質問を子どもが線引きできないので、そこが難しくて」と答え、うまくいかなかった要因が浮き彫りになってきました。「確かに、低学年だとなかなか難しいよね。全体で確認したいことなのかを子どもに考えさせたらどうかな?あとは、『この後、書く時間に質問があったら手を挙げてね』って伝えてから支援に回るとか」と提案しました。するとメンティは「確かにそうですね。徐々にそういうことができるようになってほしいです」と話していました。

 このやりとりを通して、メンティには手だての選択肢を広げる必要があるのではないかと考えました。そこで、1対1メンタリングの4つのプロセス(第4回参照)の③「課題解決の方法を見いだす」として、ベテラン教諭の授業を1時間、見学することを提案しました。そうして「普段の授業」見ることで、細かなヒントが得られると考えたのです。メンティも他の教師の授業に関心を持っていたので、日頃から若手教師を気に掛けているB教諭の授業を見せてもらうことにしました。

 B教諭の学級の子どもたちは生き生きとしていて、相手の方を見て話を聞いたり、はきはきと話したりするなど、学べることがたくさんありました。見学後、まずはメンティに気付いたことを中心に話してもらいました。すると、授業のテンポの良さや短い指示の出し方、個の関わりの取り入れ方など、ベテランの技に幾つもの気付きを得ていることが分かりました。

 ④「やってみる」に向けて、メンティはB教諭と自分の授業を比較し、自分の授業で生かしたい手だてとして「説明を簡潔にする」「視覚的に分かりやすい教材を活用する」「子どもが集中して話を聞けるように、教師が立ち位置を工夫する」などを見つけることができました。そして自身の授業では、早速短冊などを用意したり、子どもの発言の拾い方を工夫したりしていました。その後もB教諭とメンティは職員室で授業について会話する機会が増え、メンタリングが他の教師とつなぐきっかけになりました。

 次回は、新たなメンティと取り組んだメンタリングについてご紹介します。

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