【1対1のメンタリングで若手育成(8)】実践!1対1メンタリング~教職経験1年目のメンティとのメンタリング~

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

この連載の一覧

 A教諭の成長する姿をきっかけに、職場のメンタリングへの関心が少しずつ高まっていきました。ある時、「C教諭にもぜひメンタリングしてほしい」と依頼を受けました。C教諭は小学校教員1年目の臨時的任用職員であり、初任研などの公のサポート体制はなく、学年主任が中心となって指導していました。私は「C教諭の力になれるなら」とメンタリングを行うことにしました。

付箋や模造紙などを用いて可視化

 まず、C教諭がどのようなことに難しさを感じているのか、ニーズを知るために、授業に入りました。1年目の教師は、学級経営、教材研究、保護者との関わりなど学ぶことが山ほどあります。その中で、どこからアプローチしたらよいかを考えながら授業を見学しました。

 授業後の振り返りで、私が「Cさんが知りたいこと、やりたいことに合わせてやろう。どんなことをやっていきたい?」と聞くと、C教諭は「私、指導書の読み方が分からなくて…」と少し言いにくそうに語り、教材研究の仕方に不安を抱えている様子がうかがえました。その言葉を聞いて、私は「教材研究の仕方が少しでも分かるようになると、さまざまな面で授業改善につながるかもしれない」と考えました。

 指導書はとても詳細に書かれていて、授業づくりのよりどころになりますが、読み慣れないうちはどこに大事なことが書かれているかが分からず、使いこなすのに苦労をする場合もあります。教材研究をするに当たり、私は「単元全体の見通しをもつこと」「各授業において何を身に付けさせるかを明確にすること」は押さえる必要があると考えました。そこで、C教諭と一緒に教材研究することが必要であると考え、指導書を見ながらワークシートの内容を考えたり、具体的な発問や支援の仕方を考えたりしました。

 こうして授業準備を進め、授業後には録画しておいた授業動画を視聴し、気付いたことを付箋に書き出しながら振り返りました。また、付箋は模造紙に貼って、カテゴライズしながらまとめていきました。そうした取り組みを通じ、C教諭はこれから授業で意識していきたいことや、今後の手だてを見つけることができ、その後はそれらを意識しながら授業を進められるようになっていきました。

 このように、メンタリングはメンティの状況によって関わり方も変わってきます。1年目のC教諭には、メンターがある程度方向付けをして進めていく必要があると感じ、このように進めました。初任者の指導の際にも、本人の困り感に寄り添ってメンタリングを行うことが教師の確かな力になっていくと考えます。

 次回は、忙しい日々の中でどのようにメンタリングに取り組むことができるのかをご紹介します。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集