【1対1のメンタリングで若手育成(9)】実践!1対1メンタリング~忙しい日々の中で取り組むためには~

玉虫麻衣子 横浜市立大鳥小学校教諭

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 教職大学院を修了した後、現場でメンタリングを広めたいという思いをなかなか実現させることができませんでした。最大の原因は、時間の捻出です。児童の下校後は会議が多く、若手教員も時間の余裕がないのが現実でした。メンタリングは対話を通して気付きが生まれたり、深まったりしていくので、ある程度の時間は必要になります。

ウェビングを用いて課題解決の方法を考える

 考えた末にたどり着いたのは、「今ある業務の中で行う」ということでした。例えば、学年で学習の進め方や子どもの様子を共有したり、相談し合ったりする学年研が週に1回必ず確保されています。このような場を使って取り組めるのではないか、と考えました。

 メンティは、異動して来て間もない同じ学年のD教諭。勤務校では、総合的な学習の時間の校内研究に取り組んでいました。年間を通した単元の立ち上げに不安を抱いていたので、「授業研究の前に一緒に単元を考えよう」と提案しました。メンターは市研究会で研修を行っていた経験を生かして取り組むことにしました。メンティの希望で、最初の1サイクルは学年研とは別に時間を確保し、その後は学年研の時間を中心に取り組みました。

 ①授業実践・授業見学:まずは総合の授業イメージを持つことが大切であると考え、授業映像を一緒に視聴しました。②振り返る:D教諭は「子どもたちでさまざまなことを決めていくんだ」「選ぶ材によって活動の流れが違いそう」「活動後は振り返ることが大切」と、気付きを語っていました。③課題解決の方法を見いだす:今年度の活動について、ウェビング(写真)を通して考えました。メンターの実践も話題にしながら選択肢を広げ、思いつく活動を二人でホワイトボードに書き入れていきました。④やってみる:さまざまな題材に迷っていましたが、D教諭の専門性を生かし、子どもたちが「一体感」を持てるような活動にしたい、と考えました。①授業実践:あらかじめ見通しをもって臨んだ教師の進行のもと、子どもたちが話し合いました。運動会での「表現」が中止になってしまったことから、「エイサーをやりたい」という思いが高まり、材が決まりました。

 その後も日頃の学年研で話題にして、授業改善をサポートしました。異動して1年目の授業研はプレッシャーもあったと思いますが、最後は子どもたちが感動的なエイサーを発表する姿に、D教諭は手応えと自信をつかんでいました。このように、学年研という枠組みにメンタリングのエッセンスを加えながら取り組むことができるのです。

 次回はいよいよ最終回です。メンタリングの効果についてまとめてご紹介します。

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