【不登校・苦登校のリアル(2)】不登校の目的論

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 前回、不登校の原因について具体的に述べました。その内容を大きく分類すると、①家庭の問題②人間関係(教師、友人)③学業――などに分けられますが、実際にはこれらが複合的に重なり合って不登校につながっているケースがほとんどです。また、本人すらも不登校の原因が「よく分からない」ことも珍しくありません。

 現場で子どもたちの話を聞いていると、不登校の原因を捉えるのは容易ではありません。また、仮に不登校の原因が特定できたとしても、「原因」に焦点を当てている限り、解決されるのは難しいものがあります。

 例えば、私自身の例で言えば、過去にいじめを受けた事実は変えられません。いじめを受けた記憶から不安が生じている状況で、「もういじめは解決された」といくら言われても、不安が消えることはありません。このように不登校の原因を捉えて対処していくのは、大変難しいものがあります。

 そこでレイパスでは、目的論的に不登校を捉えています。不登校の子どもたちは、まず初めに「学校へ行かない」という目的を持っています。そして、学校へ行かない理由はその後から出てくると考えます。

 目的論を私の例で考えます。私は、「学校へ行かない」という目的を先に持っており、そのために過去のいじめの記憶を持ち出し、自分を不安状態にしていました。そして、その不安に伴って嘔吐(おうと)という症状が出ていました。これは決して仮病を使っているといった話ではありません。苦しみの中にあるのは事実です。

 なぜ、このように捉えるのかと言うと、目的論で捉えると「では、どうする」を自分で考えて手が打てるからです。「学校へ行かない、ではどうする?」と考えることもできます。また、「学校へ行かないと自分で決めているが、本当にそうしたいのか?」と考え、「学校へ行こうと思うことも自分次第でできるのだ」と気付けます。

 フリースクールに通う子で言うと、「学校へ行かない」という目的があって、そのためにさまざまな理由を持ち出していると捉えます。再度申し上げますが、これは仮病やうそ、言い訳ではありません。子どもたちの困りは本物です。

 大切なのは、「学校へ行かないのであればどうするか」を考えること、もしくは、持ち出した理由を引っ込めて学校へ行くかです。

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