【職員室革命(3)】マインドセット③勤務時間内に終了できるような業務量を意識する

中村浩二 名古屋市立矢田小学校教頭

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 2018年に、文科省から「教員勤務実態調査(平成28年度)」の分析結果が公表され、教育現場に大きな衝撃を与えました。調査結果によると、「教諭」の1日当たりの平均学内勤務時間は、小学校で11時間15分、中学校で11時間32分に上りました。

 一般的に、月80時間以上の時間外労働は、過労死ラインと言われています。また、6カ月平均45時間超の時間外労働は、健康障害のリスクが高まると言われています。過労死ラインを超える教員の割合は小学校で約3割、中学校で約6割に上り、深刻な状況であることが浮き彫りとなりました。

 マインドセット①②で述べた通り、世の中の状況が大きく変化し、求められる働き方も変わってきています。そのような中、教員の業務量は増える一方で、その働き方は持続可能なものだと言うことができません。

 本自治体では、教員の勤務時間が「午前8時15分から午後4時45分まで」の7時間45分(休憩時間45分)に設定されています。教員の業務は、授業の他に、授業の準備、生徒指導、給食指導、清掃指導、校務分掌の業務、集金業務、校外学習の下見・準備、保護者への対応、さまざまな会議等々、挙げたら切りがありません。子どもたちが8時15分前後に登校した後、教員は授業をしたり、トラブルが起きればその対応をしたりして過ごします。そうして6時間目終了後の3時40分ごろに子どもたちが下校すると、残っている勤務時間は1時間少々です。先に挙げたような授業以外の業務を、どれだけ効率良くこなしたとしても、勤務時間内に業務を終えるのは難しいことでしょう。

 教員が「子どものためになるから」と言って、全てに全力を尽くして長時間労働に陥り、疲弊したり健康を損なったりした結果、子どもの前でベストなパフォーマンスが発揮できないとしたら、本末転倒ではないでしょうか。

 教員の業務を見直し、やらなくてはならない業務、やってもやらなくてもよい業務、やらない方がよい業務をきちんと仕分けしたり、優先順位を決めたりすることが必要です。運動会や作品展などの大きな行事についても、伝統や慣例にとらわれず、大幅に見直すことが必要でしょう。教員の健康や生命を守り、授業以外の業務に当たる時間を生み出すことができるよう、積極的に業務改善や業務削減に取り組む必要があります。

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