【不登校・苦登校のリアル(3)】不登校の見方

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 不登校に対する見方も変化してきています。以前はいじめや非行と同じように「問題行動」として分類されていましたが、現在はその枠から外れています。

 レイパスでは、もう一歩進んだ不登校の見方をしています。それは「不登校の子どもは、勇気を持って自分の人生を生き始めた子どもたちだ」という見方です。

 そもそも子どもたちは、強い承認欲求を持っています。親や先生、友達から認められたいという思いです。そのため、周囲の期待や要求に敏感です。学校生活で言えば、親や先生の期待は「他の子と同じように学校へ行き、他の子と同じように勉強すること」「努力して良い成績を取ること」などだと思います。

 その期待を敏感に察知する子どもは、多少嫌なことがあっても学校へ行きます。私の場合もそうでしたし、フリースクールに通う子どもたちもそうです。そうしてしんどい日、つらい日を長らく我慢した末に不登校になります。

 ここに「苦登校」の問題があります。学校に通うのがつらい、それでも我慢して学校へ通う子どもを苦登校と呼んでいますが、日本財団の調査によると、苦登校の子どもは不登校の3倍程度もいるとされています。

 それでは不登校を選んだ子どもは、どのような子どもなのでしょうか。レイパスでは、「期待から外れることを怖れない勇気を持った子」と捉えています。他の子と同じように学校へ行って勉強するという親や先生の期待があるが、それに沿わない生き方を選んだ子どもたちだという捉え方です。これはわがままな生き方、勝手気ままな生き方ではありません。他者の期待に応え続ける人生(他者の人生)を生きるのをやめた、勇気ある生き方です。そしてそこから、不登校の子どもたちの自由な人生(自分の人生)が始まります。ただし、自由には不安や迷いがつきものです。

 なお、レイパスでは学校へ戻りたいという本人の意思も尊重します。一度レールから外れて自分の人生と向き合い、その上で学校へ戻ると決めるのも勇気ある生き方です。実際にしばらくレイパスへ通い、生活習慣・学習習慣を整えて、また自分の生き方を考えて、学校へ戻って行った子もいます。

 次回は、自分の人生を生きる不登校の子どもたちに向けて、レイパスが実践しているサポートについて述べたいと思います。

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