【職員室革命(5)】マインドセット⑤エビデンスや成功事例を示し、職員の納得感・安心感を高める

中村浩二 名古屋市立矢田小学校教頭

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 前回④で述べた通り、長年の経験に基づいた価値観や、独自の取り組み方に縛られている教員にとって、慣れ親しんだ業務内容を変更することは容易ではありません。そこで、校長が判断した業務の変更については、変更することが自分にとって有益なものだと理解してもらうための工夫が必要です。

 多くの学校では、朝の打ち合わせは実施されて当たり前のものとして受け入れられ、10分程度の時間をかけて行われています。もし、これを週に3回だけ5分以内で行うように変更したらどうでしょうか。計算すると年間で約20時間の時間短縮となります。まさに「ちりも積もれば山となる」の好例ですが、このようなエビデンス(根拠)を示すことで、日々の業務をこなすことで精いっぱいになっている教員からも「子どもたちと関わる時間が増えそう」とか「20時間あれば、例年通りの学校行事の在り方を考える余裕ができそう」とかいった前向きな発言が期待できるようになります。

 また、このような取り組みを行った際には、実際にどれくらいの時間短縮につながったのかを検証したり、職員に感想を聞いたりして効果を分析し、職員に示すことも欠かせません。成果をグラフや表にして「見える化」すると、職員自身が効果を実感することになり、取り組みの定着につながるからです。

 これ以外にも、前例を打破して、業務改善・業務削減に成功している事例はたくさんあります。そのような事例を紹介しながら、「この取り組みならまねできそうだ」「すでに成功事例があるならチャレンジしてみるのも悪くない」といった前向きな雰囲気を高めていくことも、職員が安心して働き方改革に取り組めるようにする上で大切だと思います。

 しかし、そういった情報は意識して得るように心掛けなければ、なかなか知ることができません。教頭などに、そういった情報を得るための時間的余裕がないことも大きな課題です。校長が管理職も含めた働き方改革を進め、学ぶ時間を確保できるような方策を共に考えていく必要があります。

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