【不登校・苦登校のリアル(6)】レイパスの教科学習

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 今回は、レイパスの特徴でもある教科学習について述べます。

 学校以外の学びの場をまとめて「フリースクール」と呼びますが、その中身は千差万別です。スマブラやフォートナイトなどのゲームを中心に活動しているフリースクールもあれば、自然体験活動を中心に活動しているフリースクールもあります。

 そうした中でレイパスは、教科学習に重きを置いています。学校が嫌でフリースクールへ来たのに、学校と同じ勉強をすることに違和感を覚える子もいます。それでもレイパスが教科学習を重視する理由は、①子どもの自立②子どもの自信回復の2つです。

①子どもの自立

 レイパスでは子どもの自立を唯一の目標としています。そして、子どもが自立するためには、いわゆる算国理社・英数国社理(教科学習)が必要だと考えています。

 例えば、今はやりたい仕事や目標がない子でも、大人になってからそれが見つかる可能性はあります。そして、何かをやりたいと思ったときに挑戦するためには、最低限の学力が必要です。資格を取るにしても、アルバイトから経験を積むにしても、基礎学力は求められます。

 また、教科学習によってバランス良く頭を鍛えることができます。確かに、漢詩やコイルの仕組みが直接知識として役立つ可能性は低いかもしれません。それでも、教科学習を通して論理的思考力や情報処理能力、感性を鍛えることができます。そうした力がなければ、いざ興味のある対象と出合ったときに学んでいくことができません。

②子どもの自信回復

 レイパスへ通うようになった子も、しばらくの間は「本当は学校へ行かないといけない」「なんとなくこのままで将来大丈夫なのかな」と思います。それでも、レイパスへ通って教科学習を進めていくと「学校には行っていないけど、レイパスで頑張っている」「必要な勉強はやっている」と思えるようになってきます。また、不登校となる過程で自分に自信を持てなくなっている子も数多くいます。そうした子も、レイパスでの努力で少しずつ自信が回復していきます。

 なお、レイパスはかなりの強度で勉強しますので、勉強が嫌いで学校へ行かない子は「レイパスも合わない」と感じることもあります。この点はレイパススタッフも苦心しているところですが、そんな子が多少なりとも勉強できるのは、以下の取り組みが奏功していると考えています。

 まず、レイパスでは無理に学習させることはなく、本人の意思で学習を計画します。また、できる限りその子の特性・進度に合わせて学習をサポートします。勉強が嫌いな子も、生まれたときから学びを拒絶していたわけではありません。大人の働き掛けや環境次第で、その子の可能性は広がっていくと感じています。

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