【不登校・苦登校のリアル(9)】フリースクールと学校連携の課題 その2

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 前回に続き、フリースクールに通う不登校生徒が全日制高校に進学するに当たって直面する課題の残り2つについて述べます。

課題④ 授業前提のテスト内容

 定期テストは多くの場合、先生が作成する授業プリントから出題されます。教材はほとんどのケースで提供いただいていますが、白紙のプリントをどさっと渡されるだけというのが現状です。また、授業で穴埋めする前提のため答えがなく、うまく活用できません。子どもたちは「この空欄の答えはこれでしょうか?」などとレイパススタッフとやりとりし、教科書を調べながら穴埋めしていますが、ひどく時間がかかってしまいます。

 また、当然ですが授業に出ていないため、先生が強調したところやテストに出そうなところも押さえられません。

課題⑤ 進路についての情報不足

 学校に行っていないと、高校のことや入試の仕組みをきちんと説明してもらえる機会がなく、保護者か子ども自身が調べるしかありません。進路についてのプリントが渡される場合もありますが、それだけで理解できる保護者や子どもはほとんどいません。そうして情報が得られないまま、なんとなく「不登校だから通信制しかない」と考えて進路を決めているケースが多いと感じます。幸い、レイパスには説明できる程度の情報がありますが、全てのフリースクールがそうではありません。将来を大きく左右する進路選択についての情報が、非常に少ない状況があります。

 このような課題があるため、レイパスに通う子も自然と「私立高校か通信高校かな…」などと言うことが少なくありません。レイパスとしても「自信を持って、内申点をしっかり取って全日制の公立高校を狙おう」とは言えないのが現状です。

 それでは内申点が全く、もしくはほとんど関係ないと言われる私立高校ならば不利なく進学できるのかというと、そうでもありません。私学の場合、中学3年生時に実施される実力テストが大きく影響するからです。この点数によって受験できる高校が決まります。

 定期テストの場合、各科の先生が単独で作成されることが多いと思いますが、実力テストはさまざまな先生で作成されます。そして、この実力テストの傾向も学校へ行っていない子は知るのは難しいものがあります。

 そのため、公立・私立共に全日制高校への入学は、学校に行っていない生徒が不利な立場にあります。私は学校へ行かない子についても、スタートラインは同じところに立てるようにしたいと考えています。フリースクールから学校へ積極的にアクセスし、さまざまな情報を提供してもらえるよう関係を構築している、レイパスはまさにその最中です。

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