【不登校・苦登校のリアル(10)】レイパスの不登校対応

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 レイパスへ通うようになっても、ある時期からしんどくなってレイパスを休みがちになる子もいます。また、そもそもレイパスへ通い始めることができない不登校の子も少なくありません。最終回となる今回は、レイパスが不登校対応において気を付けていることについてお話ししていきます。

 最も意識していることは、「課題の分離」です。レイパスに来られない子の例で言えば、「レイパスに通うことは誰の課題か?」と考えることから始まります。その選択をすることで生じる結果を最終的に引き受けるのは誰かという視点から考えるのです。そうすることで、レイパスに通うことは子ども本人の課題であることが分かります。決して、その子の親やレイパススタッフの課題ではありません。

 続いて、課題を分離します。子どもの課題であれば、親やレイパススタッフは踏み込むことはしません。無理やりレイパスへ連れて来るなどもってのほかです。「あなたのため」と言う保護者もいますが、子どもはその欺瞞(ぎまん)を察知しますので、逆効果となって余計に反発します。

 それでは放任するのかというとそうではありません。支援の準備を整え、いつでも支援する準備があることを子どもに伝えます。勉強を例に挙げれば、勉強することは子どもの課題です。なので、親やレイパススタッフが無理やり勉強させることはありません。褒めたり叱ったり、ご褒美で釣ったりすることもありません。競争であおることもありません。

 ただ、勉強したいなら応援する準備があることを伝えます。具体的には、勉強しやすい場所や勉強をサポートする人、勉強するための道具などを用意し、場合によっては勉強の仕方や意義を教えたりすることもあります。これらはあくまで勉強の応援であり、勉強するかしないかを決めるのは本人です。こうして環境を整えると、家では勉強しないのにレイパスでは勉強するということがよくあります。

 課題を分離したら過度に注目しないことも大切です。不登校の子どもの中には、不登校であることによって親や先生の注目を集めていると感じる子もいます。そのような子は自分は特別な存在と考えてしまい、もし学校や社会教育の場へ復帰したら元の「その他大勢」になってしまうと考えてしまいます。

 不登校対応においては、支援の準備はあると伝えた上で、適切な距離を取って見守ることが大切だと考えています。

 (おわり)

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