【教師の働き方マインドセット (7)】提出物の集め方マインドセット

髙橋朋彦 千葉県公立小学校教諭

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 学校の1日の始まりはとてもバタバタしています。その大きな原因として「提出物」の集約があります。普段から宿題や承諾書などの提出物が盛りだくさん。加えてコロナ禍では、「健康観察カードの提出」が毎日求められるようになりました。担任は全員分の健康観察カードを集め、順番通りに並べ直してから管理職に提出します。朝の忙しい時間帯がさらに忙しくなったのです。「早くしないと朝の会が始められない!」と焦るのは私ばかりで、子どもたちは特に気に留めていない様子です。

 そのように大変だった提出物集めが今では、「学級を支える当事者意識」を持たせるための活動へと変わりました。

 ある日、いつものように全員が乱雑に提出した健康観察カードの方向をそろえ、順番通りに並べ直しているときにふと気付きました。

 「あれ?これって子どもができないかな?」

 そして、次のように子どもに伝えました。

 「健康観察カードなんだけど、いつもみんなが提出してから先生が順番通りに並べ直しています。これが、すごく大変で困っています。そこで、みんなに協力してもらいたいことがあるんだけれど、いいかな?」

 子どもたちは「いいですよ!」と、答えてくれました。そこで私は「健康観察カードを提出するときに、①方向と②順番の2つを意識しながら提出してもらってもいい?」と伝えました。

 次の日、私はいつもより少しだけ早く教室に入って、黒板に「①方向②順番――の2つを意識しながら提出してね!お願いします」と書きました。

 すると、早く来た子から健康観察カードの方向と順番を意識して提出してくれます。ある子が、いつものように全く気にせずに提出をした時、「方向と順番を意識するんでしょ!」と、呼び掛けてくれる子がいました。すると提出した子は「あ、そうだった!ごめんごめん」と言い、方向と順番を並べ直してくれました。

 そうして全員分がそろうと、もうすでに方向と順番がきちんと並べられていたのです。あんなに苦労してそろえていたのがうそのようです。

 私は「みんな、方向と順番をそろえてくれてありがとう。今までは先生がなんとかしなきゃ!と思っていたんだけれど、うまくいかなくて困っていました。でもみんなの力はすごいね。方向と順番があっという間にそろいました。ありがとう」と伝えました。それからというもの、子どもたちは毎朝、健康観察カードをしっかりとそろえてくれるようになりました。それだけでなく、他のことも自分たちの力で良くしようとする行動も少しずつ見られてきました。

 このように、健康観察カード集めを子どもに任せることで、子どもたちが学級の一員としての当事者意識を持つきっかけをつくることができました。

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