【教師の働き方マインドセット (9)】通知表作成マインドセット

髙橋朋彦 千葉県公立小学校教諭

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 若手の頃の私にとって、一番大変な仕事は「通知表作成」でした。

 通知表を作成する時期になると遅くまで学校に残り、休みの日も学校で1日中成績を付けていました。特に大変なのが「所見」です。子どもの良いところを思い出すことが、なかなかできないのです。本当に苦労しました。

 そんな私は今、通知表作成を「子どもと向き合うことのできる機会」として考えるようになりました。

 私にとって通知表が大変だった理由、それはズバリ「まとめて書いていた」からです。そのことに気付いた私は近年、早めに取り掛かり、少しずつ通知表を書くようにしています。とはいえ、早めに着手しても、子どもの良いところが見つからなければ所見は書けません。

 そこで、通知表を書くために子どもを見取るようにしました。すると、「あ、時間を守って行動している!」「お!男女関係なく遊んでいるな」「困っている友達に優しいんだぁ」など、今まで気付かなかったことにたくさん気付けるようになりました。良いところを見つけられれば、子どもに伝えることもできます。

 例えば、「◯さんって、時間を守っていつも行動しているんだね。ありがとう」「◯君は男女関係なく遊んでいて、すてきだよ」「◯さんは、さっき困っている友達に声を掛けていたね。優しいね」と伝えます。すると、子どもはとてもうれしそうにし、その後は伝えたことを心掛けながら行動するようになります。

 そうすることで、通知表をすぐに書ける子が増えます。そして、その子に対して、「他に良いところはないかな?」と、向き合うことができます。逆に、なかなか書くことのできない子もいますが、その子に対して「まだ気付いていない良いところはなんだろう?」と、積極的に良いところを探すことができます。

 通知表の作成に早めに着手することによって、通知表の作成に追われていた頃にはできない子どもとの関わり方ができるようになりました。日頃から学級の子どもたちと向き合い、良いところを見つけて伝えることで、子どもとの良い関係をつくれるようになり、学級経営にも大きな影響がありました。

 今では、学期末の放課後や休日も、ほとんど通知表作成に時間を使っていません。通知表の作成を早めに始めることは、子どもにとっても教師にとっても大きな成果につながると感じています。

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