【学びを「支える」授業づくり(4)】「聴く」

若松俊介 京都教育大学附属桃山小学校教諭

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 「きく」には「聞く」「聴く」「訊く」など、さまざまな漢字が使われます。この中でも私はよく「聴く」を使って表現します。なぜなら、相手の思いや考えをきちんと受け止めたいからです。

 もちろん、「聞く」にも「人の話を注意して理解しようとする」という意味があります。(『三省堂国語辞典第八版』)しかし、漢字に「心」が使われている「聴く」の方に、どこか温かみを感じます。私自身が「聴く」を使うことで、相手をより意識するようにもなります。

 子どもたちの学びを支えるためには、子どもたち一人一人を丁寧に受け止める必要があります。その手段の一つとして「聴く」があります。毎日、学校では子どもたちの声を「聴く」場面がたくさんあるのではないでしょうか。

 例えば、授業中は子どもたちからさまざまな発言があります。教師に向けたものもあれば、子どもたち同士に向けたものもあります。それだけでなく、自分自身に向けたつぶやきのようなものもあるかもしれません。

 言葉が自分の内側から外側に出るということは、何かしらの思いが発せられているということです。だからこそ、外に出てきた言葉と共にその子の内側にあるものを受け止めながら丁寧に聴きたいものです。

 「その子は、何が言いたいのだろう?」

 「その子は、今どんなことを理解できているのだろう?」

 「その子は、誰の言葉に反応して自分の考えを伝えているのだろう?」

 「その子は、どのような背景でそんなことを考えたのだろう?」

 などと「問い」を持ちながら「聴く」ことで、子どもたち一人一人をきちんと受け止めようとすることができます。子どもたちのことをきちんと理解しようと「聴く」ことで、思いや考えを知ると同時に、その子の学びにとって必要な支えを考えることができます。

 教師が丁寧な聴き方をしていると、子どもたちもそんな教師のまねをするようになります。他者の考えをより丁寧に聴くことで、自分の視野を広げたり考えを深めたりすることもできるでしょう。そうやって、聴くことの良さを子どもたち自身が実感できるようにしたいものです。

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