【コレ!から始めるプログラミング教育 (5)】ミスに対する考え方を変える

岡田哲郎 キッズ・プログラミング教室KIDSPRO 代表

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 優等生タイプの子は、なかなか手が進まないことがある。少しのヒントだけを与えて自由にプログラムさせようとすると、長く考え込んでしまう。間違えることを怖がっているようにも見える。

 一方、やんちゃなタイプの子は、私の説明も早々に聞き流して、どんどんプログラミングを進めてしまう。説明をちゃんと聞いていないこともあり、最初は間違ったプログラムを作るが、間違えたことなど意に介さず、またすぐにプログラムを作り始める。

 教える側としては、もう少しちゃんと聞いてほしいと思うのだが、実はやんちゃなタイプの子は、失敗をしては修正をして正解を導く「トライアンドエラー」を繰り返しているのだ。正解にたどり着けないことも多いが、正解を自分の力で見つけ出すこともある。

 革新的な企業を紹介するテレビ番組を見ると、創業してすぐに成功して、そのまま成功し続けている会社などなく、ほとんどの会社が挑戦と失敗を繰り返して成功している。失敗を恐れてチャレンジしない会社は、繁栄し続けるのが難しいのではないだろうか。

 学び手の意識も、先生の指示や説明を待つのではなく、自分で考えて失敗を繰り返しながら学ぶ「トライアンドエラー」が必要だと思う。やんちゃな子は、先生の話をあまり聞いてくれないので、最初のうちは本当にプログラムを理解しているのか疑わしかったり、プログラムをどんどん改造して動かなくしてしまったりすることも多々ある。しかし、ある時期から急激にプログラミングの理解力が高まり、驚くようなプログラムを作り始める。これまで、そんな場面に何度か遭遇してきた。

 私たちは子供の頃から「ミスをしてはいけない」と言われてきたが、最近はミスや間違えに対する考え方が変わってきている。「人間のミスを減らすこと」に努めるのではなく、「人間はミスをしてしまうもの」と捉え、ミスが許されない作業はコンピューターに行わせるという考え方だ。例えば、トヨタ自動車は車載システム開発の全工程の自動化に取り組んでおり、モデル作成、モデル検証、モデル(ブロック線図)からのC言語生成、コード検証などが自動化されているが、自動化による目的は工数と人為的ミスを減らすためだ。

 もちろん、ミスや間違いを怖がる子には、プログラミングではミスや間違いは必ず起こるもので、「間違ってもいいんだよ」と伝えている。優等生タイプは素直な子が多いので、しばらくすると自由にプログラミングするようになっていく。

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