【コレ!から始めるプログラミング教育 (6)】楽しく学べばいい

岡田哲郎 キッズ・プログラミング教室KIDSPRO 代表

この連載の一覧

 昨年の東京オリンピックを見て驚いたことは、楽しそうにプレーしている選手が多いことだ。数十年前のオリンピックでは、日の丸を背負った選手がガチガチに緊張している姿を見ることが多かった。しかし、現在は「自分のために楽しんでプレーするべき」という考えが主流になっている。そして、そうやってプレーしている選手ほど、良い結果を出しているようにも思う。逆に、結果が伴わなかったとしても、昔のように「ヘラヘラするな!」と叱責(しっせき)を受けることも少なくなった。

 勉強やプログラミングも、楽しく学ぶべきなのではないだろうか。プログラミング教材の中には、子供たちが楽しく学べるように、ゲームで使えそうなキャラクターなどが用意されている。中には、オナラの音源などが用意された教材もある。大人向けのプログラミング入門書のように、最初は文字列と数字の違いについて勉強して次は制御文…なんてことをしていたら、ほとんどの子供の興味や学習意欲はなくなってしまうだろう。

 「ゲームなんかプログラミングしてどうするの?」と言う方もいると思うが、ゲームは立派なエンターテインメントであり、実は会社向けのソフトウエアなどよりも優れた、最先端のテクノロジーが利用されている。

 小中学生がハイテクノロジーを使ったゲームをプログラミングできるわけではないが、Scratch(スクラッチ)でゲーム終了時に得点などを表示させようとすれば、おのずと文字列と数字の違いや、変数について学ぶことになる。また、思い描いた通りのゲームを作ろうとすれば、「ループ」「条件分岐」「イベント」「メッセージ」「配列」「関数」などプログラミングの概念を理解しなければならなくなる。

 さらに、Scratchはコードを順番通りに処理する手続き型プログラミングではなく、オブジェクト指向プログラミングに分類されている。そのため、子供たちは意識していないと思うが、オブジェクト指向の考え方も身に付くことだろう。

 自分が遊びたいゲームを作り、その過程でプログラミングを学んだ方が楽しく、学習へのモチベーションも上がるはずだ。もしかしたら、子供たちはプログラミングを「学んでいる」という意識すら持っておらず、感覚的には遊びの延長線上にいるのかもしれない。ぜひ、プログラミングの授業でも、ゲームプログラミングなどを取り入れてほしい。

 ScratchやSpringin’(スプリンギン)には、自分の作品を公開し、互いにコメントを付けられるコミュニティーサイトもあり、楽しさがさらに広がる仕組みも提供されている。児童生徒にアカウントを持たせるのもお勧めだ。どちらのコミュニティーもしっかりしたガイドラインの下で運用されており、違反行為などはできなくなっている。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集