【学びを「支える」授業づくり(6)】「見取る」

若松俊介 京都教育大学附属桃山小学校教諭

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 「見取る」という言葉には「見て知る。見て取る」という意味があります(三省堂国語辞典第八版)。とてもシンプルです。想像していた以上にシンプルだったので驚きました。ただ、これくらいシンプルな方がいいなと思います。

 子どもたちの学びを支えるためには、子どもたち一人一人を丁寧に見取ることが欠かせません。全ては子ども理解から始まります。きちんと見て理解しようとするからこそ、子どもたち自体やその学びを受け止めることができます。ぼーっと見ていては何もできません。

 子どもたちに関わるいろんな情報をもとに、

 「子どもたちは今どのようなことを考えているのだろう?」

 「どのように世界を見ているのだろう?」

 「何に悩んでいるのだろう?」

 「今、どのような感情なのだろう?」

 「次にどこへ向かおうとしているのだろう?」

 などと、「問い」を持って子どもたち一人一人の現在の姿を捉えようとします。こうしたことをきちんと捉えるからこそ、子どもたちの学びを支えることができます。

 子どもたちの知識理解や思考状態、興味関心は学習を進めるにつれて刻一刻と変化します。単元を始める前に「大体このような姿だろう」と想像するだけでは終わりません。本当に絶えず一人一人を見取り続けることが大切です。

 何となく過ごしているだけでは、「見取ったつもり」で終わってしまいます。しかし、

 「子どもたちを『見る』と『見取る』の違いは何だろう?」

 「どうすれば見取ることができるのだろう?」

 「自分の見取りと実際の姿にズレが生じたのはなぜだろう?」

 などと「問い」を持って子どもたちと過ごすことで、より子どもたちのことを理解できるようになるでしょう。永遠に「見取り切った」「完璧に理解することができた」とはならないからこそ、ずっと子どもたちのことを見取ろうとし続けることが大切だと考えます。

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