【コレ!から始めるプログラミング教育 (7)】STEAM教育との相性

岡田哲郎 キッズ・プログラミング教室KIDSPRO 代表

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 文科省が推進しているSTEAM教育は、実社会に即した教育手法として注目されている。STEAM教育では、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Arts(アート)、Mathematics(数学)を統合的に学習する。

 実社会において、ある商品を販売しようとしたとき、マーケティング、開発、製造、営業などに関わる人たちが情報を共有し、分析や検討を繰り返し、より市場価値の高い商品を作ろうとする。

 良い商品を作るには、部門間の協業がキーとなる。もし、マーケティングや営業の意見を無視して商品を開発すれば、性能は良いけど高価な商品やデザインの良くない商品が完成してしまうかもしれない。逆に、開発の意見を無視すれば、性能が低い商品や利益率の低い商品が完成する可能性がある。

 協業の重要性は、部門間だけでなく一個人に対しても言えることだ。「私は営業なので、開発のことは分かりません」「私は技術者なので、市場動向のことは知らない」では、部門間の協業はできない。営業部門でも開発や生産管理に関する知識・理解が、開発部門でも営業やマーケティングに関する知識・理解が必要だ。一人一人の個人も、統合的に考える力が必要なのだ。

 STEAM教育は、このようにさまざまな局面から統合的に考えられる人材を育成しようと生まれたが、実際に実践するとなると簡単ではない。しかし、プログラミング教育を使えばSTEAM教育を実施することができる。

 科学(S)は、物理法則に沿った動きをプログラミングしたり、micro:bitを使って光、温度などを利用したりできる。技術(T)は、プログラミングそのもので、パソコンやインターネットの活用もそうだ。工学(E)は、micro:bitの光センサーや加速度センサーなどを利用したプログラムを作れる。アート(A)は、ゲームやアニメーションなどを作る際に密接に関わってくる。数学(M)は、プログラムで数学の問題を解くこともできるし、足し算、引き算、掛け算、割り算、乱数から三角関数などの数学をプログラミングでは頻繁に使用する。

 このように、プログラミングはSTEAM教育と相性が良いのだ。「科学」「技術」「工学」「アート」「数学」だけでなく、デジタル絵本を作れば「国語」も一緒に学べるし、Scratchのミュージックブロックを使えば「音楽」も学べる。まちを紹介するプログラムなどで「社会」を学ぶことも可能だ。

 プログラミング教育では、プログラミングそのものを学ぶだけでなく、それを利用して他の学問(科目)を学んでほしい。

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