【コレ!から始めるプログラミング教育 (8)】プログラミング教育を進める上で持つべき心構え

岡田哲郎 キッズ・プログラミング教室KIDSPRO 代表

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 プログラミングの構文を理解したことで、プログラミングをマスターしたような気持ちになってしまう人がいる。私も学生時代、そのように思ったことがある。コンパイルエラーが出てもすぐに直せるようになると、プログラミングをマスターしたような気持ちになってしまうものだ。これを英語に置き換えると、文法は分かるけどスピーキングやライティングはできない状態と言える。プログラミングの構文の理解は最低限の前提条件にすぎず、自分のアイデアを形にできるようになるまでには、まだまだ遠い道のりがある。

 Scratch(スクラッチ)やMakeCodeなどのビジュアルプログラミング言語の場合、コンパイルエラーなどもない上に各プログラミングブロックを直感的に理解できるので、勘違いする人はさらに多くなるだろう。そうして「プログラミングをマスターした」と勘違いし、学習をやめてしまうのはよくない。そうならないよう、テーマなどを決めてオリジナルの作品をプログラミングさせたり、お手本のプログラムを改造させたりするような、「自分で考えてプログラミングする授業」も必要だ。このような授業では、正解は一つではない。先生が子供たち一人一人を指導するには労力が必要になるので、お手本プログラムなどをいくつか用意しておくとよいだろう。

 例えば、「小学校プログラミング教育の手引」の指導例をプログラミングしようとしたとき、手順書などを見ながら行ったとしても、多くの子供がスムーズにプログラムを完成させることができない。プログラムが正しく動かない理由は一つではなく、「全角で数字を入力した」「変数名が違う」「制御文の使い方を誤っている」「コードの実行順序(シーケンス)が違う」「間違ったオブジェクトをコーディングした」などさまざまだからだ。

 先生とICT支援員で40人近い子供一人一人のコードをチェックし、それぞれのバグを発見して指導するのは難しい。私の教室では、一人の指導者が担当する子供は4人までだ。

 授業のやり方としては、正解のプログラムをプロジェクターやモニターに表示したり、プリントを配ったりするなどして、子供自身に答え合わせをしてもらう。段階的に動作確認をする習慣が身に付くよう、答え合わせは頻繁に行ってほしい。段階的な動作確認をせず、全てをプログラミングしてから動作確認をした場合、バグを見つけるのが難しくなるからだ。

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