【コレ!から始めるプログラミング教育 (9)】プログラミングを学んだ子供たちに期待すること

岡田哲郎 キッズ・プログラミング教室KIDSPRO 代表

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 Google、Amazon、Facebookの創設者が、幼少期からプログラミングに夢中になっていたと本連載の第1回で述べた。しかし、私はプログラミングを学んだ子供たちが億万長者になることを望んでいるわけではない。世の中を住みやすくしたり、楽しくしたりするシステムやソフトウエアなどを作る人になってくれたらうれしいと考えている。

 もちろん、技術者やクリエーターにならない子もいるだろう。それでも身近にテクノロジーはあるはずで、それらを適切に使いこなせる人になってほしい。誤送金事件で一部の役所がいまだにフロッピーディスクを使っていることが判明したが、そのようなことがないようにしてほしい。どんなに素晴らしい技術があっても、その技術を間違って解釈したり、いろいろな理由をつけて受け入れることができなかったりすれば、良い結果は生まれないだろう。

 かつての日本は、半導体、自動車、VHSビデオ、DVD、デジカメなどの分野で世界の最先端を走り、ゲーム業界ではインベーダーゲーム、ファミコン、プレイステーションなどで世界を席巻していた。もちろん、今も世界で活躍しているものはあるが、インターネット関連、電動自動車、デジタル決済、スマートフォンなどの製品・サービスや、マインクラフト、フォートナイトなどのゲームで世界を席巻しているのは海外勢だ。

 それは、日本から優秀な技術者がいなくなったからなのだろうか。いや、現在も日本には優秀な技術者がたくさんいる。さまざまな理由により、最先端技術を受け入れず、変化しない道を選ぶようになったのだろう。しかし今、変化を受け入れるべき時が来ている。

 近い将来、日本は人口減少と高齢化により労働力が不足する。この問題を解決するには、ITによる変化がキーとなるだろう。労働力を確保できないのであれば、テクノロジーなどを利用して社会構造を変え、労働者一人当たりの生産性を上げる必要がある。一例ではあるが、私はITツールを活用して、経理、労務管理、Webやパンフレット作成など専門外の業務を一人で処理できている。

 IT化により消える職業が出てくるかもしれない。私の職業もその可能性がある。しかし、10年後、20年後の日本の未来を考えれば、そうした変化も受け入れなければならない。全ての仕事がコンピューターに取って代わるわけではない。学校の先生やカウンセラーなど、人間にしかできない職種もたくさんある。今後はIT化すべき業務と人間がやるべき業務を見極める力も必要だろう。

 文系理系を問わず、子供たちが新しいテクノロジーを適切に理解し、使いこなし、より良い世の中をつくっていってほしいと願う。そして、テクノロジーが間違った使われ方をしないように、しっかりと監視もしてほしい。

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