【学びを「支える」授業づくり(9)】「任せる」

若松俊介 京都教育大学附属桃山小学校教諭

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 子どもたちが中心となって学習を進められるようにするためには、手取り足取り説明したり、導いたりするのではなく、子どもたちに「任せる」機会を増やす必要があります。子どもたちが自分(たち)でなすがままに学んでいけるようにしたいものです。

 ただし、「任せる」と「放任」は違います。いきなり子どもたちに全てを任せても「うまくいかない」ことばかりが起こってしまいます。もちろん「うまくいかない」ことは大切ですが、「できない」ことばかりが増えると、子どもたちはやる気をなくしてしまいます。

 また、何も考えずに任せてしまうと学習がふわっと終わってしまいます。本来学ばないといけないことが学べないまま終わってしまったり、大事なところにたどり着けなかったりします。それではもったいないものがあります。そこで、

 「今、子どもは自分たちでどのようなことを解決できるだろう?」

 「子どもたちが自分で追究するために必要な力をどのように育てればいいだろう?」

 「『任せる』レベルをどのように上げていけばよいだろう?」

 「『任せる』の陰で、どのような間接指導が必要になるだろう?」

 などと「問い」を持って考えるようにします。そうすることで、ちょうど良い任せどころを見つけることができます。いきなり全てを任せるのではなく、目の前の子どもたちと共に進むことを大切にしたいものです。

 この連載では、学びを「支える」授業づくりにおける教師の役割について、私が日々考えていることや大切にしていることを書いてきました。その中で、「任せる」を最後の項目にしたのには理由があります。

 それは、「任せることがゴールではない」からです。もし、「任せる」が全項目の冒頭にあって強調されてしまうと、「子どもたちだけで何かすることが大切なのだ」「任せることが理想の授業像なのだ」と思われてしまいます。実際、そうではありません。

 これまで書いてきた全項目をきちんと理解するからこそ、 子どもたちにとってより良い学びを支えるために「任せる」も活用していくことができるのです。その「任せる」さじ加減については、私自身これからも模索し続けていきたいと考えています。

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