【いじめに向き合う学校(4)】いじめ対応を巡る学校現場の本音

森田志歩 特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表

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 いじめ問題が報じられると、必ず学校や教育委員会の対応が問題視されます。しかし、それを問題視したり批判したりする人々は、徹底した原因究明や調査をすることなく、また新たな事案が発生すると同じような状況が繰り返され、事案は風化していきます。

 私はこうした現状に違和感を覚え、なぜ学校や教育委員会の対応が問題視されるのか、何か理由があるのではないかと思い、昨年、全国の学校と教育委員会に対し、抽出でアンケートを実施しました。250件の学校と教育委員会にアンケート用紙を配布し、回答を得たのは180件(回答者数486人)でした。アンケートは本音で回答いただきたいと思い、無記名で行いました。

 アンケートに寄せられた学校や教育委員会の回答を見ると、いじめ問題の対応が遅れてしまう原因として挙げられたのは「保護者との話し合いが難航し、関係がこじれてしまう」というものが最多で、その次に多いのは「他業務があり十分に時間が取れない」でした。

 保護者との関係がこじれた場合には、中立の立場で介入し、解決改善に向けて協力してくれる第三者機関が必要だと、9割の人が回答しました。そして、いじめ問題の対応で難しいと思う点では「保護者との連携」が最多で、重大事態として調査委員会を設置する際の問題点としては「財源」が最多でした。

 これまで2000件を超える相談に対応してきた私としては、この結果は想定内であり、「やはり」という思いがしました。学校や教育委員会から受ける相談には圧倒的に「保護者対応」が多く、続いて多いのは、先生方個人からも受ける「業務の多忙」に関する相談です。このような現場の声はなかなか表に出ることがなく、学校や教育委員会が抱える問題が重要視されていないように感じます。

 時折、学校の働き方改革の問題が報じられますが、改革が目に見えて進んでいるとは言い難い状況があるのではないでしょうか。学校の働き方改革は、決して先生方だけのためではなく、子どもたちのために行われるべきものでもあります。学校に対していじめへの適切な対応を求めるならば、まずは先生方の多忙さや教員不足の問題を改善すべきではないかと私は思います。

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